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2015年11月28日更新

「解剖学の勧め」を京都大学医学部整形外科医の青山朋樹准教授にインタビューしました。

本日は2016年2月の解剖実習に同行してくださる、京都大学医学部の整形外科医でありながら若手育成に励む“青山朋樹准教授”に「解剖実習の勧め」をインタビューさせて頂きました。

Q1:解剖実習への参加の勧め。
A:解剖実習の目的は「知ること」にあります。臓器や組織の位置関係は解剖の図譜などで確認できます。しかしながら臓器同士が、あるいは組織同士がどのようにつながり、機能しているか、そして機能しなくなるかは連続性を持った三次元構成体である検体臓器を辿ってはじめて理解できると思います。さらには生活習慣の結果や病気の成り立ちなどを実習しながら「知ること」ができます。単に解剖図を確認するのではなくて、こういった組織~臓器~ヒト個体の連続性を「知る」ために参加してみてください。

Q2:解剖実習の醍醐味は何でしょうか。
A顔や性格、行動はヒトそれぞれで異なります。しかし、皮膚の下の臓器や組織は当然ではありますが、同じ形態や構造をしており、そのことにまずは驚きます。次には他の検体の臓器、組織と比べてみますと、やはり臓器ごとにその形態や組成が異なる事に気が付きます。このことは個性や検体の方の人生が臓器に映し出されていることを「知ること」につながります。少しおおげさかもしれませんが、体表面から体の内部そしてその方の人生を知る、そのきっかけになると思います。

Q3:解剖実習をしたあとの臨床(治療法)はどのように変わると思われますか。
A:これまで以上に治療をする際に、アプローチする臓器や組織、そして他の臓器とのつながりを意識することができます。例えば腰痛の治療を行う際にも単に筋骨格系だけではなくて、他の内臓器系へのアプローチ、あるいはそれらを動員することを考えられると思います。またその集合体であるヒトを対象にして生活習慣や性格、思考過程に考えが及んで治療にあたれるようになるのではないでしょうか。

Q4:何故、若手育成に励みたいと思われましたか。
A:若手であってもそうでなくても、「早く知ること」が重要だと思います。経験論を学ぶだけでなく、解剖臓器のように普遍的なものの成り立ちを学び、それを基軸にした経験を積み重ねていくことができます。こういったことは必ずしも解剖実習だけで得られるわけではないですが、若手の皆さんになんらかのきっかけを得て頂きたく、努めさせていただきたいと思います。

Q:解剖実習アカデミー
A:青山准教授

 
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