解剖実習をしてみたら、ふと「リンパマッサージ」について疑問が湧いてきた。そもそもリンパマッサージが日本に根付いてきたのはここ10年~15年くらいではないのでしょうか。そして大事なのはその知識。なぜか日本の「リンパマッサージ=老廃物を流して痩せる」 ??? という認識になっていますが実際にはどうなのでしょうか。
発祥はヨーロッパ、16世紀ごろと云われ、長い歴史はありました。リンパマッサージは免疫力の向上や老廃物の排出、体質改善などが挙げられます。しかし老廃物が流れたからといってダイエットに結び付けるのは大げさすぎやしないか?それに、あの強揉みは必要でしょうか。日本を中心にアジアだけの特有でしょうか。
今回はその辺りを解剖実習の視点からシェアしたいと思います。
リンパは「浅いリンパ」と「深いリンパ」があるのはご存じかと思いますが、解剖実習では静脈と共に走っている浅いリンパを確認することは、ほぼ視覚では確認は無理でした。(リンパ節のぷくっとしたのは手で確認したので視ることができました。)亡くなってすぐの献体であれば確認することができるそうです。
外国の専門家の先生方が提唱している「リンパマッサージは優しく流す」というものは一体どこへいってしまったのか。
でも、目で見えない細かさという事も意味がある! それだけ繊細な薄い膜をリンパマッサージで流そうというのだから、こちらだって細心の注意と技術がないといけない。以前、先生に太もものボコボコセルライトは消えないと先生に教えていただきました。
さて、日本では大半が「 痛い = リンパマッサージ 」になっている。それは大丈夫か? なぜ痛い方がいい?! それを考えてみる。単純に解釈のくい違った知識と満足感を求めるための加圧ではないのか。
施術を受けた人やネットのクチコミで出てくる「アザ」の問題は皮膚に近い毛細血管や静脈の上に必要以上の圧を加えた事によるものだといわれている。それは痛いって聞いているし、私も体験時は痛かった。何を求めているか実験だったから「弱く」とも言ってないし「痛いですよ」と最初にいわれた。アザもできるだろうな。(私はアザと筋肉痛。 正しい知識の下、圧加減をすれば「アザ」になることは無いはず。
ではなぜ、それが良しとされている? クライアントが「この痛さを我慢すれば痩せる」と思いこまされているからなのか。しかし、施術者の一部もそう思い込んでいるから騙しているわけではない。教えられた技術として吸収している訳だから。でもちょっとこれが怖いかな。 本来私は、とても痛がりだから、マッサージ中に「痛い痛い」を連発する(これは異常(笑)) でもさすがに足元にアザが出来た時は「これはやり過ぎよねぇ」と言ったら、返ってきた言葉が「好転反応ですから、数日で消えますし、問題ないですよ」と言われた。さすがに唖然としたが、 同業だしモメるつもりもないので、「そうですか」とあっさり終わらせた。「慣れって怖い」とちょっと思った。
知り合いの海外のセラピストたちに笑われる。だから私は考えた。
正しいリンパマッサージをして頂きたいから、「過剰」と「最低限の知識」と「ダイエット」をきちんと分けて説明できるのか?
例えば、強揉みの要求に対して、リンパの構造から説明して、「リンパという組織に過度の強さを加えるのはアザができる可能性が大きく、本来のリンパマッサージではないといわれています。 脂肪潰すという言葉が横行していますが、本来脂肪は人間の手で潰れるものではなくて「燃焼」するものですし、効果を上げるためには食事療法や、運動が必要なのです。」
「リンパマッサージをした後に食べたいものを沢山食べると、活性化された細胞が栄養を吸収しやすいといわれているから、ある程度の食事療法と運動を並行していかないと痩せないですよ。」とか。。。
でも、日本では強揉み要求のお客様で今まで納得していただいた事がないのは気のせいだろうか。
たぶん、きちんと勉強をしたエステティックサロンでは、学んでいると思います。
実際、カリスマエステティシャンと言われる某K先生は、リンパマッサージとダイエットは違うとおっしゃっている。ただ云えるのは、「太りにくい身体を作るための相乗効果はあるかもしれない」と。
人間の体の60%位は水分と言われている。この水分の中の余計な老廃物が利尿により流すことで「痩せた」とは何とも言い難い。もっと身体にとって大事な行為はたくさんある。でも、「リンパの流れを良くする」事はとても大切で視野にいれているので、これからもシェアしていきたいと思う。
記事担当:小池
監修 :講師 木原