さて、今日は昨日の続き、足部分。
今日はちょっと長いけどね。この記事に関して面白いと感じなくても、人間の構造に「いいね」「すごいね」を感じて欲しい。
治療家にとって、細かい部分も見逃さない。「足首のこのスジだけに圧痛が・・」「これは何筋で、こういう靴を履いて、こういうふうに負担がこの部分に出る」知っておくと、数学の公式からスラスラと答えが導き出されるような明白さがある。
足は4つのアーチだったね。今日は足裏から見てみよう。足裏は 毎日毎日、触れている部分で、「リフレクソロジー」か「指圧」か「アロマテラピー」か「治療」か、それぞれの手技で目的が違う。それによってアプローチの刺激程度が違えば、心地よさも違ってくる。左右の違いを発見しながらも、目的が「癒し」なのか「疲労回復」なのか「むくみをとる」のか。目的に向かって楽しんで施術している。また、足裏か下腿を触って大きさ・硬さを知ると利き腕がどちらかは足で判別できる。
時間をしっかりかけるのはリフレクソレジー。前方横アーチから後方横アーチにかけて、リズムよく足裏をクリームをつけた指ですべらせる。指先、中央部も、「腎臓」・・・・・・「胃」「十二指腸」「膵臓」「上行結腸」「横行結腸」「下行結腸」・・・カカトもしっかり刺激する。リフレクソロジーは 足裏の足底靭帯までもゆっくり刺激する。時間をかければ足の柔らかさも随時変化していく。踵骨の外側の底から第5中足骨の付け根まで並んで走る「小指外転筋」の短縮した部分にもゆっくり圧を入れる。お互いに至福の時間である。
続いて下腿。全くもって、下腿をほぐさずして楽になったと言えない。
アーチ構造では、下腿部の筋の引っ張る力によって支持している。また、コンパートメントを理解するのに丁度いい構造である。
浅後部コンパートメント…腓腹筋・ヒラメ筋・足底筋
深後部コンパートメント…後脛骨筋・長拇指屈筋・短指屈筋
前部コンパートメント…前脛骨筋・長拇指伸筋・短指伸筋
外側コンパートメント…長腓骨筋・短腓骨筋
解剖実習の先生が「これの名前は?」「?」「なんだろう」「小さい」「足底筋!」「お~」「これが!」
・足底筋・・起始・大腿骨外側上顆
停止・踵骨腱 脛骨神経(L4,5,、S1)
ヒラメ筋の後ろ側、内側腓腹筋の内側を通る腱の長い小さな小さな筋肉です。足関節をわずかに底屈、膝関節をわずかに屈曲、この役割は中途半端。しかし大事なのは、「神経的に、アキレス腱の張りを評価して調整する」という役割をしていることです。浅後部コンパートメントは全て踵の上部に付着。
構造の面白さといえば、手と足の共通点がある。足は足底筋で手は長掌筋がそれにあたり、同じ短い筋腹と長い腱を持ち似ている。機能も限定しており、人類の約10パーセントには存在しない。「へ~」ですね。
【 浅後部コンパートメント 】
・下腿三頭筋
腓腹筋・・起始・大腿骨の内・外側上顆の後面、
停止・踵骨腱をえて踵骨
脛骨神経(S1,2)
ヒラメ筋・・起始・ヒラメ筋線、脛骨の近位後面、腓骨頭の近位後面
停止・踵骨腱をえて踵骨
脛骨神経(L5、S1,2)
・足底筋・・・起始・大腿骨外側上顆
停止・踵骨腱
脛骨神経(L4、5、S1,2)
腓腹筋の中央部をゆっくり指圧するのも、内外をそれぞれ手掌でつぶすように柔らかく揉みこむのも気持ちいい。ヒラメ筋は大きく持ち上げるように左右から引っ張り上げたり、腓腹筋とともに両掌で包み込むように全体に圧をかけるのもいい。ヒラメ筋をダイレクトに鍼で狙うならサイドからでもいい。予想外にアキレス腱をほぐす気持ちよさは足裏にも匹敵するほど最高である。ヒラメ筋の内側には静脈が通っている。「第2の心臓」といわれるが足首を動かしてこそなので、「バレリーナのように、つま先立ちしよう」と言っている。気がついたときに10回位ずつ、一日何回かで効果が違うと実験結果がでている。
【 前部コンパートメント 】
・前脛骨筋・・・起始・脛骨の外側顆、脛骨近位側面、骨間膜
停止・内側楔状骨・第1中足骨の基部
深腓骨神経(L4,5、S1)・・・・・・内返し
・長趾伸筋・・・起始・脛骨外側顆・腓骨近位前骨幹部・骨間膜
停止・第2~5趾の中節骨、末節骨
腓骨神経(L4、5、S1)・・・・・・・外返し
・長母趾伸筋・・起始・腓骨の中部前面、骨間膜
停止・第1拇趾末節骨
深腓骨神経(L4,5、S1)・・・・・・・内返し
前部コンパートメント自体はアーチとの関連はないが、前脛骨筋の停止部は脛骨の表面を走り、内側縦アーチの第1楔状骨と第1中足骨の間に付着
【 外側コンパートメント 】
・長腓骨筋・・・起始・腓骨頭、腓骨外側近位3ぶんの2
停止・第1中足骨の底、内側楔状骨
浅腓骨神経(L4,5、S1)
・短腓骨筋・・・起始・腓骨外側3ぶんの2
停止・第5中足骨粗面
浅腓骨神経
長・短腓骨筋は外果を滑車のように使用して、その後方から足へとおりる。
※短腓骨筋は第5中足骨を立方骨の方へ引くことで、外側縦アーチを維持。
長腓骨筋は立方骨の下を通り(外側縦アーチを支え)、足根骨裏側を覆い、第1中足骨、内側楔状骨まで到達。足を回外させながら、内側縦アーチを下に押し付け、内反捻挫を予防している。(これはすごい構造よ)
【 深後部コンパートメント 】
・後脛骨筋・・・起始・脛骨、腓骨の近位後骨幹部
停止・足根骨(5つ)、第2~4中足骨基部
・長趾屈筋・・・起始・脛骨の中部後面
停止・第2~5趾の末節骨
・長母趾屈筋・・起始・腓骨中部後面
停止・第2趾末節骨
このコンパートメントは、ヒラメ筋と骨間膜の間に位置しており、長母趾屈筋・長趾屈筋は外果の後ろを通るが、後脛骨筋だけが内果を滑車として活用し、内側縦アーチの下を通過し、距骨以外の足根骨まで到達している。
さて、この意味は・・。
後脛骨筋は、前脛骨筋に協力し、足の内側を床から持ち上げ、回外を維持し、回内を防いでいる。
コンパートメントは別でも!脛骨の前後で協力して欲しい部分にバランスをもってそうなったのかこの自然構造に「ほ~」である。(みんなはそう感嘆しないか・・・)
内果、外果を滑車のようにつかっていたり、内側と外側のバランスをとって配置しているその構造。
足底筋が小さいくせに膝の後ろから腱をはるばる伸ばしたり。
あとは・・膝窩筋を忘れていた。
膝窩筋…起始・大腿骨外側上顆
停止・脛骨近位後面
脛骨神経
斜繊維で小さくて短くて、足底筋の下。深い部分に存在。この役割が「膝伸展位での膝の解放」「膝の開錠キー」???なんとなくしか解らない。でも不安定でハマっていない膝関節のこの重圧の負荷は日常的に影響は大きい。だから、まっすぐにした時、この筋が頑張って、前左右斜めにかかるものをいっきに引き受けて立位を安定させる姿勢に保つ・・・ってことかしら。言葉にすると難しい。下手ですね~。
う・・・この続きは明日だ!・・・お腹が空いた・・・脳が糖分を欲している!!