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お知らせ

2015年1月26日更新

心臓を解剖

本日は先に少し2月1日に行われるセミナーの内容のご案内です。

今回は、店舗での開催。テーピングを使いながら、相棒のアラシ君の骨格を借りての90分です。
時間の関係上、「肩甲骨まわりから上肢」限定。
献体はございませんが、本では学べない立体感を伝えるのに、テーピングを使います。神経走行から筋肉を感じていきましょう。
そして、肩の不快症状(肩こり、四十肩、しびれ、攣るなど)を神経・筋肉・構造から皆さんで思考します。
最後に、「ストレッチ、ほぐし方などの解消法」。
自分や皆さんの仲間との「体感」、楽しんでいきましょう。

私のお伝え方は、「感じる」ことがメインです。マッサージ技術にしても、ストレッチでも、本人がそれを体感しない限りは身につかないと考えております。だから、「感じる」まで何回も取り組むのです。確かにその「感じる」ものが「身に付く」には時間がかかります。でも、とことんつきあいます。私自身が時間をかけてきたものなので、欲があれば、何度でも何度でも時間をかけて伝え続ければいいことと考えます。
前回の解剖実習の参加者の方々が実習で学んだ中で、「肩甲骨まわりの驚き」が多くありました。
一番の注目は「神経の走行」。神経と血管の走行の認識も確実のものになります。
想像ではなく、実際に見たことの正しい知識を把握することが解剖実習での目的です。

 

shinzou
(参考文献:ぜんぶわかる 人体解剖図)

さて今日の解剖実習報告

【心臓】
最近、移植を待つお子さんが亡くなり、そのお子さんから移植があったとのニュースは心複雑に知りました。
献体での心臓部はあまりにもシンプルです。しかし、その機能や構造は複雑で、動いたときに十二分発揮となります。人間の眼で見て触った限りは質感、弾力、色などなど気持ち悪さも感じません。この表面シンプルで肉厚な心臓を人工で作ろうとしている。世界中の研究者が力を結集して、成功して、分け隔てなく人間を助ける。将来期待しよう。
そのシンプルな心臓の表面は、冠状動脈が心臓表面全体を這うようにはりめぐっています。枝を伸ばすように、余すことなく細かくのびています。その心臓をまず二分割してみると、それぞれの地中のもぐらの穴倉のような秘密の隠れ家がでてきます。
先生が、「房室弁」部分を分解してみせてくれました。「三尖弁」と云われる部分です。
(三角形にとがった弁が2つの「二尖弁の僧房弁が左」、弁が3つの「三尖弁が右」)
弁尖は房室の境にある硬い結合組織の枠から起こって心室の中へ伸びています。
そのへりのところにある、パラシュートのひもに見えるのが「腱索」。その腱索で心室壁の部分から弁をひっぱります(心室の筋肉から生えてきたというか手が出てきたというか・・・凄すぎる)このひとつひとつが一生動いているのに繊細な形状。ガツンとあるガッチリ感はない。でも、強靭なんだろうな。
動脈弁(大動脈弁、肺動脈弁)は、3つの半月状の弁膜はポケット状に向き合う。このポケットは血液の逆流を防ぐものでふくらむとピタッと合わさります。ピタッとですよ。この合わさった感じは動いていないのでみてはいませんが、一日何回、一生何億回と動いて働いている。想像するだけで心臓さまさま、大事にしたくなりませんか? ピタッとピタッと・・・。
心臓って本当にすごいんだな。血管ひとつ、筋膜がひとつ。
人間の身体を知るって、自分の身体を知り、尊さを知り、感嘆を響かせ、脳の奥底を覆す。
もしかして、自分レベルで一生、研究。
解剖実習・・・自問自答にならず、実際に答えを視せて戴くってありがたい。

記事担当:講師 富士子