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2019年7月31日更新

膝の内側


膝の障害は、難儀である(関西弁)
しかし、よく考えると
膝関節は体表から治療患部までの層の深さが浅目。ということは、(治療法の違いはあるが)治療家にとっては、最深層の損傷部位を触れながら治療出来るということになる。
(治療が簡単という意味ではない。)

膝の簡単な特徴として、上下の大腿骨、脛骨というクッションを介して可動する関節。正しい動かし方をしないと歪みは出る。膝の左右のバランスの影響は大きいやすいし、変形の影響も大きい。
解剖の勉強を考えると、筋肉の種類と形が実際に体表からでも判別しやすいから助かりますね。
さぁ見ていこうか。

何かと膝の内側は弱いものだ。その内側の痛む原因となるスジはたくさんある。
その中の悩みポイントのひとつ、「内側」を見ていこう。

まず、内側の「内側広筋」
「内側広筋」は膝の動きを安定させる筋肉。
下肢正面中央の「膝蓋骨」、その内側面の皮下には幅広く真っ白な硬い「膝蓋支帯」がある。足首などにある支帯と同じ役目だ。その膝蓋支帯に付着しているのが内側広筋だ。
解剖実習では、半円を描いた内側広筋の繊維は膝蓋支帯の幅広丸いハンモックにはまった形で付着しているのが確認出来る。その内側広筋は、きれいな緩い半円カーブを描いた筋繊維である。
実際に、内側広筋は下肢外側よりサイズも小さく目立つ筋肉ではないが身体における位置と筋力は生活上で重要である。

その厚すぎない半円の内側広筋をめくり上げると、真下の層に「内側膝蓋大腿靭帯」が出てくる。「内側膝蓋大腿靭帯」の名のごとく、下肢の内側にあり、膝蓋骨の内側と大腿骨の内側顆を結んだ靭帯である。
この靭帯は、実にきれいな形状である。
これを索状(さくじょう)という。索状の見本のようなラッパ形である。膝蓋骨を反対側に持っていかれないような放射線状。膝の屈伸運動の激しい動きにも負けずに安定した位置で存在する。
解剖実習では内側広筋の下に隠れたこの靭帯を覗いて欲しい。小さく地味な靭帯だが損傷しやすい箇所である。
膝蓋骨を内側の方向に留める形状は、逆の下肢外側方向などに膝蓋骨が亜脱臼した時に、必要以上に引き伸ばされ損傷しやすいし、長年に渡る左右横方向への無理なストレスも障害に繋がる。

大腿骨の内側には、「大腿骨内側上顆(ないそくじょうか)」と呼ばれるよく知られた箇所がある。
そこにはまたよく知られた「内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)」という靭帯がある。その靭帯は、大腿骨内側上顆から脛骨の内側部分までをつないでいる靭帯。先ほどの「内側膝蓋大腿靭帯」が膝蓋から内側上顆に横方向に付き、「内側側副靭帯」が内側上顆から下腿方向の脛骨内側面と上下に付く。
内側広筋が付着している幅広い「内側支帯」とその「内側側副靭帯」と一体化して密着している。乳白色、プニプニで薄い。薄いが弾力がある。「腓腹筋内側頭」の筋張ったビニールテープのように白く硬い繊維とは違う白い靭帯。

内側面は伸び縮みをするよりこの密着状態が丈夫さを出している。
「内側側副靭帯」は浅層と深層がある。浅層は索状だが太めで固め、深層は斜走した膜状で関節包と内側半月とに接している。深層は靭帯だけど膜状だから柔らかい。

少し面白い?ここの浅層は周囲の結合組織からで、深層は関節包や滑膜組織からの血行循環がある。とても循環が悪くない位置に存在している。何故ならこれが、鍼治療時にてき面に出る。腫脹していても腫れの引き方が早いのだ。逆に言えば腫れも出やすい。損傷時に深層の膜状は血流がいいので膝関節包内に内血腫として出やすい。

ぜひ、実際の解剖実習で確認してほしい。

 

 

記事:講師 富士子