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2019年6月27日更新

解剖実習で実際に見る「神経叢」や「靭帯」などの組織を考察


私は、悩んだ時、
「人間は四つ足」とまず考える。
起立しにくい高年齢の方を対象とした原因を考えてみようか。
基本、バランスを取りたい。
まずは重力に対し頭背部を起立させる。二本足で理想に近い姿勢で立つ。それには何が必要だろうか、何か負担はあるか・・・。
見えてきたりしないかな???
痛みがあればサインが出てると捉え、問題の突破口になる。しかし、痛みサインが無い方は何が必要かじっと考える。

脊柱のテンセグリティー構造を「仙骨」と「骨盤」は受け止める。
骨盤の周囲の筋肉は、高年齢になる程に靭帯や筋肉が「骨か!」と思うくらいに硬くなる。何故かというと、動作時に頼れる筋肉が決まってしまうからだ。
使用頻度が高ければ硬くなるし、使わなくても廃れて硬くなる。それらの筋肉群は、表面に触れただけでは状態が「ちょっと硬すぎる支え」というだけの役割も多く、伸び縮みが無ければただ障害につながりかねない。筋肉は磨耗されるし、肥厚もする。
頑張って生きている証(あかし)なのかもしれない。

骨盤中央には「仙骨」が鎮座。
現物は、非常に複雑な形状をしている。
まず普段?の仙骨は、張り付いた筋肉に埋もれて全形が見えない。これが多裂筋である。
そして、仙骨神経は仙骨の穴をから生えてきた木の根っこのように太い。穴からにょきにょきと生えたように見えるクリーム色のその神経は太さと硬さと弾力を兼ね備えている。
「仙骨神経」は、狭い骨盤内で「叢」を作る。 その叢のスタート位置は、第五腰椎の下辺りからである。
骨盤の中に張り付いた筋肉は、尻つぼみの骨盤の湾曲に合わせて薄く薄く張り付く。サイズは小さいが大変機能的に作られている。
その中にある神経の叢は、実は想像以上の本数なのである。

平べったいく束ねた内閉鎖筋は「仙棘靭帯」の下に潜り込むように入る。
内閉鎖筋の形は、変わっている。うちわの様に孔を覆う。そして妙に方向を変えてから大転子の後ろ側に付着する。

内閉鎖筋の内面には、筋に伝うように「閉鎖神経」が走行している。
この「閉鎖神経」は、腰神経から下りてくる。「大腰筋」の筋繊維を壁のように添いながら下って走行している。仙骨神経叢を横眼で見ながら、内閉鎖筋と内閉鎖膜を貫通している「閉鎖管」という管を通過して骨盤内を出ていく。
解剖実習では、殿部の脂肪を除去したあとの外面こらとヘソの方から覗く骨盤内からの様子と、二面から骨盤を観察する。

そして、要望があれば解剖実習では「仙骨神経叢」の素晴らしい特別な献体をみせていただける。
見た瞬間に「仙骨神経叢」の具体的な構造に驚き、全く印象も変化することだろう。

簡単な〈おさらい〉
腰神経叢 T12〜L4 下肢の前面へ
仙骨神経叢 L5〜S3 下肢の後面へ
腰仙骨神経幹 L4半分とL5が合流する部分を指す

L2〜L4
①大腿神経 (知覚神経の伏在神経) →
大腰筋・腸骨筋・縫工筋・恥骨筋・大腿四頭筋
②閉鎖神経 →
内転筋群

解剖実習では、自分の考察とあらゆる疑問点を解決に導く助けとなる。熟練した解剖の先生方の声は、新しいヒラメキをもたらす。
・・・私は、こんな探索が一番楽しい。

記事担当:講師 富士子
参考写真:アトラス Visible Body