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2015年5月1日更新

前鋸筋を触る

新宿紀伊国屋さんで沢山の本に囲まれていると不安にかられる。まだまだ知らない事があるのだ。でも柔道整復師の方は整形外科系の本で勉強も必要だし大変ですね。たぶん私だって鍼灸の奥深さを追求し損ねている。脳神経の本なんてチンプンカンプン。・・オイルマッサージ系、スポーツトレーナー系、リラクゼーション系、医療系。それぞれが奥深い。でも皆さんにはまだまだ時間はたっぷりある。
本は自分に対する投資の基本。インターネットが普及したとはいえ「カジル」のと「何度も繰り返す」「読み漁る」本とは比べものにならないものがある。1か月1冊でも本を買ってみてはいかがかな。そう考えると1冊の値段の高さも自分の財産になると思うのだが。(・・・・・20年以上前の白黒手書きっぽい本を捨てられない私は、最近の本のカラーでつるつるの本は解りやすいがマブシイ)

先日の「肩甲骨内縁」の部分では筋肉の層が一番のチェックポイントである。皮膚の上からの触診で何層にもなっている筋肉の判別ができるのか、できなければどういう抵抗運動でその筋肉を浮き出させそこでまた触診なのだ。施術後にどう変化したかを知る手段のひとつも触診なのだ。

さて、肩甲骨内縁から肩甲下に手をいれる手技がありますが、そこまでいれるのかと思ってしまうほどの手の入れ具合をみる。「肩甲挙筋」付着部(上角)では硬さがあり手がはいりにくい。しかし肩甲棘の内縁の端部分から下角にかけては柔軟性をもって手が入る。手が入ると「菱形筋」はびよ~んと伸びて肩甲骨下面に指と一緒に入り込んでいるのだろうなと思いつつ、「前鋸筋」の事を考える。

zenkyo

「前鋸筋」は起始が胸椎1~8番もしくは9番までの肋骨の外側面(脇の下のタルタル部分を指す)。停止部分が肩甲骨の内側縁の前面上角から下角までの幅。乳房の外側下部分まで下位前鋸筋は位置しているが、筋肉が弱めではっきりしていないと体表面に近いとはいえ肋骨の固さの上のうっすい筋肉か脂肪かの感触しかない。
有名な動きでは「腕立て伏せ」「シャドーボクシング」などの動きで作用する。運動意外でも「前鋸筋」は起始部分に停止部分が引き寄せられるように動く。
日常パソコン姿勢では、両肩先を前方へ位置させ固定し同時に肩甲骨も体幹の横近くにスライドさせて肩甲骨の位置を動かさずに保つあの姿勢。その姿勢は胸郭を動かさず固定されている。その時の「前鋸筋」の働きを「前鋸筋の作用」として文にすると『「肩甲骨」を「外転」しながら「上方回旋」させていながらも(姿勢を保つとなる)筋繊維の方向へと「引き下げている」し胸郭(肋骨の形状)の曲線ラインから浮くことなく「保持」している』となる。小難しく語っているがこれが日常仕事として存在しているのである。
もちろん「前鋸筋」だけが緊張してできる姿勢ではないことが前提。
その「縮んでいる」姿勢での時間が長ければ長いほどパソコン仕事が終わった後でも「前鋸筋」は縮んだまま。
両方の肩甲骨内縁意識してを菱形筋パワーで脊柱に引き寄せよう。上肢をブルンブルンいわせながら周囲の筋肉とともに伸縮させストレスを解消させよう。

記事担当:講師 富士子
(参考写真:ボディナビゲーション)