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2015年4月20日更新

前根後根~カメ?

最近、血管や神経関連が記事としては多いのだけれど、もう次の解剖実習まで1か月しか
ないことを考えてチェックしておきたい項目をどんどんいれながら脱線していきたいと思う(脱線は必須だ)。

脊髄神経をしっかり把握していないと解剖実習ではちょっと困る。
その実物を見たというだけでインパクトはとても強いし学ぶものも沢山あるのだけれど「お~」とか「へ~」ではもったいないのだ(いつもすみません私です)。
今日は文章が「神経叢」のように混戦しています(頑張ります)。
先日の「脊髄神経」の続きになる。
まず脊髄神経の脊柱からどのようにルートをたどるかが一番のポイントです。脊柱の脊髄から最初にどういうふうに枝わかれするかです。
「脊髄神経の前側の外側部分」から「前根」、後ろの外側部分から「後根」という繊維の束がでています。これを、カメに例えます。カメの左前足が「左前根」右前足が「右前根」。左後足が「左後根」右後足が「右後根」。
それはまず左に2本、右に2本出ているということ。そのあと左前足と左後足が合流して1本になる。右前足と右後足が合流して1本になる。あぁ、生き物にあてはめてはいけませんでした。大変な状況になってしまった気がする(カメさんごめんなさい)。
合流してから椎間孔(脊柱)の隙間から外にでる。(その穴も解剖の先生にきちんと教えて頂けます)

IMG_2564

ここでストップ!今度の解剖でチェックする重要な項目がある。一つがこの「後根」からでた神経が合流する前に、合流する前に、合流する前に(3回言った)「脊髄神経節(神経節)」というジャンクション(?)で繊維をのりかえる。・・・乗り換えるって言葉はいいのかな・・。(なぜ乗り換えるのか何が起こっているのかは・・・また次の機会に)
まぁその「神経節」はぷくっと膨らみをもっているのですがまるでパーキングのようになっているのですが、以前はこの神経節の膨らみを見て感動して終わりだったが、今回は小さくても開いて中をみるという任務がある。中の状態がおばさんの肉眼でみえるかどうかは微妙だがやってみる。
で、両枝は合流します。一度合流する理由としては「再編成」(分布する前に再編成)するからなのだ。(関連痛の理由がここにあったりしますが、保留)
繊維の束のルートと中身を復習します。
向かう場所は?・・・・・前根をでた「前枝」は「体幹の側面や前面、四肢の皮膚や筋肉に分布」する。後根を出た「後枝」は「背中の部分の皮膚と脊柱起立筋部分に分布」する。
何の神経束?・・・・・「前根」から出ているのは「運動性の線維の束でこれは骨格筋に向かっていく」。「後根」から出ているのは「皮膚感覚とかの知覚性の線維の束」。
右側のものは右から出た神経に影響を受ける。左は左側の神経に影響を受ける。皮膚に関しての分布は横ラインに色分けされた有名な図がある。それは筋肉に分布する支配神経とは別に「皮膚知覚」としての領域図である。以前の記事でも、「おへそから下がTh10で~・・」と紹介しました。これが、本来は脊髄損傷などでの損傷部位をと規定するのに指標となる。しか~~し、絡まった神経叢があるのを皆さん知っているね。今度はそれをやっていこう。

頸神経叢(第1~4頸神経)
腕神経叢(第5頸神経~第1胸神経)
腰神経叢(第12胸神経~第4腰神経)
仙骨神経叢(第4腰神経~第5仙骨神経)
「体幹から突き出た四肢」においては、成長の過程で必要に応じて神経は太くなって枝分かれしてもつれあって神経たちは「叢」になった。
体幹の部分は「まったいら」なので「脊髄神経の前枝」から伸びた神経は発生のままの分節を保って左右に分散しています。その証拠(?)に第1~12胸神経の前枝の「肋間神経」はきれいに肋骨の間を分布しています(確かにきれいだ)。
「脊髄神経の後枝」は脊柱起立筋と皮膚にこれも分節をもって分布しています。
明日は・・・たぶんまた神経だ。

記事担当:講師 富士子
(参考写真:ネッター解剖学アトラス)