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2015年4月17日更新

胸鎖乳突筋付近~迷走神経

meisoushinkei

乳様突起の内側付近と胸鎖乳突筋の厚みと幅にかくれて存在しているものを挙げてみよう。
たぶんこれは大事な部分だよ(大事じゃない部分はないけどね)。

「総頸動脈」の拍動が頸の部分で探知できるのは、その胸鎖乳突筋の鎖骨と胸骨に付着している部分の中間辺りから下から上に血液を運ぶ管がそこを通っているから。脳を養う動脈血管である。
拍動?実はこの部分では「動脈」と「静脈」で別々の拍動を探知することができる。
「動脈」は胸鎖乳突筋の内側に沿う状態で動脈の管があるが、「静脈」は胸鎖乳突筋の盛り上がりの外側を這っている(外頸静脈と内頸静脈は違う場所)。「動脈」は1心拍に1回の心臓の収縮期の脈を打つ。「静脈」は1心拍で2回動くか収縮期に拍動する。
「頸動脈」は皮膚を持ち上げる位の強い拍動を持つが、「静脈」は胸鎖乳突筋の外側という皮膚に近い部分ではあるが拍動が弱く、「くぼむ(凹む)」状態でみる。だから手で押さえて感じるというより視診で探知する。いずれにしても手首の「橈骨動脈」とのコラボが大事で「動脈」の拍動はそろっていて「静脈」はズレがある。
私達はテレビドラマで「頸動脈」を測ることで、生きているかどうかをみるのを知っているが、ドクターは「頸静脈」で右心房の病変を緊急時にみる(凄すぎる)。

縦方向に並走するように延髄から出ている太い神経の「迷走神経」がここを下降している。第Ⅹ脳神経である。「迷走神経」は上から降りてきて胸腔にはいる。右側は「鎖骨下動脈」の前側を通り左右に分かれている気管支の右側の後ろ通ってから食堂方向に沿う。肺の気管支の部分では気管支の後ろ側を通りながら気管支とともに枝が肺の中に入っていく。左側は心臓の大動脈弓の前を通り左の気管支の後ろから食堂に沿う(からみつく?)。この先どんどん枝を這わせて伸ばして横隔膜を貫きながらも各所定の配置につく。それは骨盤部分以外の咽頭、喉頭、心臓、肺、食堂、あとは胃から十二指腸などの腸から横行結腸まで。あと肝臓、膵臓、脾臓、腎臓にも伸ばしている。(乳様突起周辺の話なのに内臓にいってしまうのは迷走神経のしわざだ)
元に戻って
乳様突起周囲にはその他の脳神経の第Ⅺ脳神経「副神経」。これは迷走神経と一緒に「頸静脈孔」からでている。「胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配」している。胸鎖乳突筋と僧帽筋は胎児期にもともと同じ筋肉だったけど必要に応じて二つに分かれた(窓をあけた)と聞いたような聞かないような・・(妄想?)。その割れた窓部分から見えるのは斜角筋などの筋肉と腕神経叢である

迷走神経だけではないのですが「神経」って成長に合わせて樹状にどんどん伸びて筋肉や胸腔や横隔膜も貫いていく。支配するとか情報を受け取るって神経の仕事は網羅しているのがわかります(見た目はヘビの舌みたいだ)。
それ以外の脳神経では「舌咽神経」「舌下神経」もある。もちろん胸鎖乳突筋の外側に静脈も通っているし「リンパ」もある。

あぁ、顎二腹筋にいけない・・・なぜだ!

記事担当:講師 富士子
(参考写真:)