前回の記事に関しての補足が2点。
まず1点が、股関節の「内旋」「外旋」について。
仰向けでの測定と座位での下腿軸の振れる角度でも同様の角度数になる(はずである)
もう一点。
そして、小児までは「角度が大きくても異常ではない」と軽く書いたままでしたが、詳しくは「小児は大人より前捻りの角度が大きい」という意味でした。
本題に戻ります。今日は「知覚神経」をかじる位でいきます。
神経は好きな分野だが覚えることが多すぎる(と思うけど)。
その中で運動神経ではなく、「知覚神経」について。特に今日は好きな部分だけで進めようと思う(オレの自由だ~!)
下位の胸髄、腰髄、仙髄の神経根からの神経が骨盤周辺の「知覚」を支配している。
おへそからラインを横に引く。背面に向かう時はやや斜めに上がっていく。背面はもちろんその脊髄の出所位置に向かう。おへそ横からラインを一周引いたら次に鼡径部にラインを引く。鼡径部も斜めにあがっているというか鼡径部から角度をつけてラインをとる。
鼡径部のラインのすぐ上がT12。
おへそのラインの下が帯状にT10.
だから、そのT10とT12の間はT11となる。
鼡径部の下はL1。
大腿にいきます。
膝蓋骨の上がL3。
鼡径部ラインから下がL1だからまたもその大腿の中間部はL2となる。
大腿も体幹同様外側に向かって斜めラインをとって走行している。
さて、私の好きな「殿皮神経」・・・(みんなに知られてしまうなぁ。(赤面))
「殿皮神経」・・L1、L2、L3の後方の第1分枝から。
場所は、腸骨稜と上後腸骨棘から腸骨結節の中間からの殿部。
この範囲を支配している。
トレンデレンブルグテスト(Trendelenburg test)というのがある。上後腸骨棘の部分は腸骨の後面にある。左右が陥凹しているのでわかりやすい。その上後腸骨棘は両足に均等の体重をかけて立位をとると水平の位置にあるはずだ。本来は片足をあげた(浮かせた)時にその上げた足の方の骨盤が拳上する(中殿筋が収縮しているので拳上する)。実は私たちは日常歩行の中で無意識にこれを繰り返ししている。骨盤を交互に「くいっくいっ」としているわけだ。ばかにしてはいないが、腰が細くても腸骨稜付近にお肉がついている方の歩行を後面から観察・・たまたま見かけたときにはこの動きがハッキリわかる。
と考えると「おしりがこってて~」なんていうのがよくわかるだろう。
足先でちょこまか歩くとかゆっくり歩くタイプの方はこの働きはスローだ。しかし、ハイヒールでカツカツ歩いている方はリズムよく筋トレしているようなもので筋肉の張りの強い。
中殿筋の機能不全や筋力低下が病的っていうケースが目の当りにするのが少ないのでこのテストをする機会のないのが現状だ。
ここでふと疑問が・・・。今回は中殿筋の筋力テストなのだがなぜ、大殿筋、小殿筋ではなくて中殿筋テストが指標とされるのかと考える。機能が高いから?殿部の筋肉(大殿筋、小殿筋)どちらかが調子悪くても他の筋肉でフォローできるが中殿筋の調子が悪いと骨盤が不安定になる度合いが高い。3筋肉が同じ機能を同じ量もっていればくらべてしまうが、名称が似ていると少し比べて重要度を発見したくなる。
兄弟姉妹を比べるのと一緒かな。すみません、個々が大事ですよね。
最後に諸注意。調子がちょっと悪いのと完全に機能不全との差は大きいのでその辺は承知して欲しい。
坐骨神経付近が痛ければ、「坐骨神経痛です」とひっくるめて簡単に言ってしまうのとは違う。症状によっては病院への通院も必要なときもあるし、何回か筋肉をほぐすだけで寛解するものもあるからである。
・・・あの編集長。バックを肘にさげて上半身を動かさずにカツカツ歩いていますが、殿筋大丈夫ですか。
(あ。。。。。。 ダメかも(≧▽≦) by 編集長 小池)
記事担当:講師 富士子