身体は、単純ではない。そしてそれを考えるみんなの思考もそれぞれあって。それでいいと私は思う。
解剖実習では、周知の事実でさえ驚かされたりする。
純粋に驚き、脳に刺激を与えようではないか!
そして、言葉として口に出すことで、脳内を整理して収納していく。
ちなみに、私の脳内は、収納前の付箋だらけで引出しにもはいらない(踊笑)
運動力学、トレーニング、コンディショニング、ケアなどに関しては、主とする方たちの思考が入っているので情報の一つとして脳に収納するのがいいだろう。全てが押しつけでなく、みんなの思考に投げかけただけである。
特に今回は
私の脳内である(縮笑)。
「出産から骨盤を考える」
文献に「出産時に骨盤の可動性が増加する」とある。
確かに普段ほとんど動かないものに対して、「可動性が増加する」という表現を聞けば「ガッといっぱい動く」とイメージする。さて、これも個人差があるのだろうか。
私は、実際は大きくはないが「動く」気がする!!
なぜか!?
私的には、「可動性が出ることで、壊れることを防いでいる」気がしてならない。
男性の心臓では耐えられないと云われている閾値にまで拍動も変化。出血も多い。
死にものぐるいだ。だけど、女性特有の身体能力でそれにも負けない力がここで発揮される。
先日も、体調が落ちている時に牡蠣を食べましたら、また(またなのです)下痢。
あの脂汗の痛みが出産のときは何時間も続く。私なんか途中に怒り始めた(情けない)。
ここで、フォローをいれておこう。
出産は、難行だ。難行だからこそ、価値が生まれる。
軽く体験してみよう。下腹部の脂肪の下の腹筋に指をあててみよう。
「ひっひっふ~~」じゃなくても、「ふ~」っと息を吐くたびに腹筋を指に感じないか?
横になって、やわな腹筋を掴んで、深呼吸や咳、くしゃみをしても、手に振動がくる。
呼吸が腹圧にしっかり影響していることが解るだろう。
そこに、出産とくれば骨盤のどんぶりにあふれ出そうなパンパン状態での破裂である。靱帯がしっかり骨盤を支えていなかったら、まず、あの体重増加で女子たちは歩けもしない。
次は骨盤の大きさ。骨盤自体は大きくならない。
よく考えよう。
骨盤が前屈している。後屈している。・・胎児がお腹にいれば、後屈ですね。
その骨盤のどんぶりに胎児の成長とともに、羊水や脂肪も確実に貯蓄される。理想10キロ。それでも、お砂糖10個分(キャー!)。
まともにどんぶりがそんなに広がったら出産前に骨盤の靱帯がひきちぎられる。
さて、今度は出口の問題。
寛骨が仙骨と組み合わさっている。もし、広がると仮定するならば、恥骨部分か仙骨部分。
さて、前側の恥骨はどのぐらい広がるのだろう。もし、勢いで離れたとすれば、足首の靱帯が切れたのと同じで大変なことである。知らないだけであるのかもしれないが、とりあえず、ナシとしよう。
では、仙骨部分か。恥骨結合以上に靱帯が揃っていても引きちぎられるのか。
考えるだけ疲れてきた。
産婦人科の女先生に出産時に質問した。「骨盤は動く?」という質問に対して軽く笑いながら「NO」。
「ふじこさんて、おもしろい人ね」・・・滅多にいない妊婦のおかしな質問攻めに優しい先生の温かい返しである。三枚くらいウワテである。
私の出産時の記録によりますと
体重80キロ。???これは公共のデンパに流れている?
言い直そう、ある女性の出産時の体重が80キロ。
それが、出産後の体重で7キロ減り、出産後1か月で15キロの減少とある。(ある女の一例ね)
出産時、普段より20キロもの体重増加で、呼び名は「親方!」
出産直前まで、骨盤からもちろんあふれたものたちは、身体のあらゆる部分に膜のように上乗せされた。もちろん、体重は減ったとしても、骨盤が後屈しているクセと緩んだ腹筋は、もとの骨盤の位置なんて覚えてはいない。
骨盤まわりに痛みもない。しぼんだ風船のゴムのぷよぷよが骨盤のまわりに漂っているだけである。
さて、骨盤はどうだったのだろうか。
素直に何も変わりないと言って終わりか?
仙腸関節の周囲の筋肉が調子悪くても、「仙腸関節が・・・」
腹筋が弱くて骨盤の後屈になりぎみで腰が痛くなったとしても「仙腸関節が・・・」
全身の筋力がピークから落ちていて、運動不足で、毎日の単純姿勢の繰り返しで、毎年の体重増加に気づかぬふりをしていても、私達は「まだ痛みがなければ私の身体は調子が悪くない」と判断する。
・・・あっケンカ売っているね。・・・誰かが言ってたことにしよう!
とにかく、骨盤だけが悪くない。骨盤のせいにしない。仙腸関節のせいにしない。
筋肉!お前たちはさぼっていないのか!
一時の痛みがまぎれただけでは、終わらせないぞ。
もっと先をみよう。
皆の人生は「筋力」次第で大きく変わるのだ!
ところで、骨盤って広がったの?! あ・・・
記事担当:講師 富士子