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2014年11月28日更新

解剖学的に【坐骨神経痛は解明されているのかどうか】

坐骨神経痛って、下腿に痺れを感じたり、仙腸関節の辺りに響く痛みを感じたり、腰を引っ張られる感じがしたり色々と症状はあるが、一概にどこが原因と分からない場合も多い。
「梨状筋に圧迫されている可能性が高い」とか。。。

ハワイ大学の解剖実習で直接聞いてみることにした。
「坐骨神経痛の原因ってアメリカではどのように捉えられているのですか?原因は分かっているのですか?」

解剖の先生の回答は
「日本からの参加者に必ずもらう質問だね!それ!(笑) 原因は分からないよ。解明されていない。何故なら
*¹フレッシュな献体を何体も実際に研究し、脚を上体の方に折り曲げた状態で梨状筋と坐骨神経が当たっているのかどうか視るんですよ。でもね当たらないの。アメリカでは逆に腰からきているんじゃないか。とも云われてるよ。」

「ほーーーーー」(私は悩む、何故なら自分が坐骨神経痛だから、あわよくば治したい。。。)
よし、富士子講師に聞いてみよう。

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富士子がお答えしましょう。まず、坐骨神経痛を一言でいうと「簡単ですがやっかい」。
上から目線ではありませんが、「全身のバランス」、「筋バランス」、「骨格」を見れば別に難しくはありません。ましては、痛みが出ていて教えてくれているじゃないですか。「ピン」のポイントは結構人それぞれ。ちょっとずつ調整していくと一番痛い箇所からの順番がある。1番から順番に隠れている部分を私は出して調整していく。(表現が難しい)。痛みを放っておくとどんどん範囲がすすむから、嫌がられているだけで、一度経験したら今度は注意信号が出た段階で自分で気づく。そこで治療すればいい。
まぁ、なるべくして負担がそこにきたと思ってください。クセもあるし、同じところに負荷はあります。(私も経験済)。なんども同じことを繰り返すのはしょうがない。(正直だと言ってください)利き腕があってこそのバランスが決まるのだし。

 

そう、日本人は「むちうち」「寝違え」「四十肩」「ぎっくり腰」「ヘルニア」「坐骨神経痛」などが大好きです。かくゆう私もその治療が大好きです。日本でテレビ特集をすると高視聴率でしょ。(大好きという言葉はおかしいかな。)気軽にいきましょう。

 

で、「基本はだいたい同じ体型を持つ日本人」。そこから考える。(私的の視点は本来じゃべりたくない)体重を足していって、この体型になった。この仕事をしてこの骨格になった。年齢でこうなった。この髪型でここがこる。この靴を履いてこの足裏になる。ね、全く難しくないでしょ。世界の国々で身体の特徴があるように、気温、気候、環境、習慣などなど。よく考えれば「そうなる」

 


もうひとつの見解。(推測)
亡くなる何時間前でも寝たきりになったり何かあれば、すぐ筋は変化する。(瞬間冷凍でなければ残っていないと思う)
だから解剖実習では、「原因を視ることは出来ないが、原因になりそうな部分はしっかり視れる。」これが大事。うえからの透視ではなく実際に見なきゃ全ては「推測」のままである。

筋肉の状態は立った時、座った時に全然違った負荷や重心、特徴をもつ。この違いが面白い。(みんなには面白くもないか)

でも、解剖の先生には申し訳ない。
「リンパがみたい」とか「筋膜」とか言っております。でも、あのぷちっとしたリンパや神経などそれを見て触っただけでも毎回感動なのです。「芸術」です。謝謝。

 

*1 「フレッシュな献体」とは。
亡くなって間もない方々の身体のこと。ハワイ大学の通訳兼アスレティックトレーナーの方々は基本英語で授業をするバイリンガルな為、専門用語によく英語が入り、日本語に変えると「フレッシュ」という表現が複雑な心境にさせるが、本来はそうではない。
亡くなって2日が限界と言われているフレッシュな献体をリクエストすることもできるが、前にも書いたが動脈血がそのまま残っているのと、ホルマリン処理をしていないので、ビギナー向けではない。
恐らく、エキスパートやドクターレベル(ここでは専門の解剖学医や医者とする)

記事担当:小池
監修:講師 富士子