「四十肩になった!」
この喜び半分、やばい感じ半分。治療好きの私にとって、自分が体験できることは最大の研究材料なのだ。(痛くなければね)何をするか。何もしないのだ。
肩部解剖実習観察編は後半で!
研究テーマは「何もしなければどうなっていく」なのだ。アホだね・・・。治療すれば治ることは知っている。これでは治療家として全くつまらない。充分、四十肩を体験する以上のものはない。どんな動作で痛いか。なにが一番つらいか。夜の寝る態勢のアドバイスは間違っていなかったか。かばっていたみが出る箇所は。いろいろ考察したが、一番の目玉は、「スポーツができるくらいに復活はできるか。」人間、痛みがなくなってくると肩が痛かった事実も忘れている。本当にそうだ。でも痕跡は必ず残る。
今年初めに左膝を痛めた時も「ああ、これが皆の痛かった状態だ」なんて感じた。ジョギングできない。太ってしまう。そんな葛藤の中、半年味わった。
話は戻り、四十肩は病名ではない。たぶん通称。
本当は「肩関節周囲炎」。確かに炎症だ。肩が上がらなくても、上がっても痛みがあれば含まれる。皆さん、タイプが違う。
石灰化していなければ、鍼、皮内鍼、吸角、冷シップ、包帯、キネシオ、タオル、保冷剤、徒手調整、マッサージ。この中で組み合わせて治療する。もちろん、鍼のやり方は状況次第。(当人の様子をみて決める)押し付けはしない。話し合う。かばってしまう箇所などのケアも同時にチェックする。
治療家からみればたいした道具を使っていないし、かえって道具好きかもしれない。でも、生活しながらの治療だからその辺も考慮する。私だって、ギックリ腰でもマッサージする。
そういえば、出産1か月前にマッサージしていたら、でかい腹の存在を忘れてしゃがみ込み、起き上がりコボシのようにスローで後ろに転がった。超大笑い。いいネタになった。
また、話を戻そう。(すみません)
肩関節周囲炎。チェックポイント、①滑液包 ②回旋腱板 ③上腕二頭筋長頭 ④肩鎖関節 ⑤三角筋 だいたいこの5つが多いかな。四十肩ではなくても「肩がこりこり音がする」「動きが滑らかではない」などに対して徒手調整だけでもすぐ効きやすいので緊急時でも使える。難しくないので、四十肩、五十肩の患者さんには教えるようにしている。これがまた、治りを促進するのだ。放っておかれるより絶対いい。
もし今年 肩の調子が悪かったならば、この冬、就寝する前に浴用タオルを折りたたみ、肩を覆うようにシャツの中に入れよう。体温を逃がさず、冷えからも守り、寝ている姿勢のクッションにもなる。
とっておきのストレッチはセミナーネタで人気なので、ここではお伝えできない。ちょっと残念である。
スポーツや仕事の履歴などの問診も必須だし、日常に無理をさせずに治療する。
「これは治るものである」という信念は患者さんの弱くなった心をも助ける。
肩甲骨まわりの存在の同時にチェック。小胸筋も対象だ。
解剖実習の時に腕神経叢、腋窩動・静脈をきれいに取り出した時に、小胸筋との構成をみた。びっくりするほど本当に狭い。ここを通るのか・・・。
解剖実習に同行したセラピストさんが言っていた。
「今回献体して下さったカレンさん(仮名)が「肩関節周囲炎」だったかどうかまではわからないが、彼女の持病や体型を考えると、腕が後ろに回らなかったかもしれない。
実際に上腕骨頭は丸くツルンときれいだし筋肉の繊維もしっかり乱れてはいない。こんなにキレイなのに、「筋肉が石灰化」するとはどうしてかな。」って。
石灰分、カルシウムが筋肉に沈着してしまう最悪の状況なのは分かるが その「発生のきっかけ」は分からないと日本では言っております。
そしてハワイ大学の先生も発生は分からないという見解でした。
心配を中途半端にするとスッキリしないので 西洋医学の治療法を伺いました。
医師の先生によると「痛みが強いときは、安静と肩の保温に加えて、鎮痛消炎薬が使用されます。とくに週1~2回の肩関節内や滑液包内への局所麻酔薬と副腎皮質ステロイド薬の混合、 または、ヒアルロン酸ナトリウムの注射は効果があります。 しかし、副作用が出ることがあるので、ステロイド薬の注射を何回もつづけることは さけなければなりません。急性期が過ぎたら運動療法が主体となります。症状が軽いものは、入浴後に痛みを覚えない程度の腕の振子状運動をします。
石灰化滑液包炎、石灰化腱炎は、石灰沈着部位を穿刺して、石灰を吸引すると劇的に疼痛が消失することがあります。」
四十肩を1度経験していると 気をつけないといけないのかもしれない。「肩が上がらない」なんてニンマリしている場合じゃない。
うぉ〜!人間の体は本当に不思議だ!
さて、経絡では肺経の「中府」「雲門」
肩甲骨を下にさげるようにすれば 小胸筋が検知できる。やさしくマッサージすると気持ちいいね。
小胸筋 内側胸筋神経・外側胸筋神経
鎖骨下筋 鎖骨下筋神経(C5,6)鎖骨の下に細長く存在、解剖では「こんなに小さい」と思った。
この筋肉、4足動物は発達するが人間は超重要ではないらしい。(ほう)
肩の靭帯や関節、滑液包、結節間溝、滑膜など
構造の魅力もさることながら、細かい構造だからこそ 鍼の適用、効果は素晴らしい。
今日はここまで!
いつも見て下さってありがとう。
解剖実習で皆様のお助けになれるべく精進します。
よろしくね!
そういえば弊社の代表がHISに問い合せていた見積もりが来たとか言ってたな。
近日公開かな?
HIS情報でその時期のツアーがそろそろ埋まり始めているそうですよ。
ハワイの3月は時期的に安いから?
それとも卒業旅行シーズン???
皆さん、あんまりゆっくりせず旅費調べて早目に予約して下さいね!
記事担当:講師 富士子