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2014年11月14日更新

背面の解剖 1

脊柱起立筋_1_640

解剖実習はまず、背部からスタートする。
解剖学の先生はそれぞれの筋肉の支配神経や相互関係、機能、ストレッチなどなど沢山の情報をとても詳しく講義された。オススメは、その前知識をいれておくと全然違った視点での実習となる。

さあ、メス・ピンセットなど各種道具を駆使しての作業開始である。左右肩甲骨、脊柱に沿ってメスをいれていく。まず、表皮から脂肪までの層に沿って進行。
僧帽筋、広背筋、胸腰筋膜が見えていく。
(本当はこんなに簡単に見られない。脂肪層と格闘するのだ)
胸腰筋膜筋肉の走行や起始停止を考えながら手を進める。そう腹筋系を傷つけないように・・。構造上行動上、補強を必要とするところに筋膜が厚く硬さをもって存在する胸腰筋膜。胸腰筋膜の厚さや繊維の白さは参考書通りである。この伸び縮みの少ない硬さが全身の土台として存在しているのだと納得。しかし、思った以上に意外だったのが僧帽筋である。とても薄くて小さい。もう少し肩甲骨を覆い、厚みをもっていると考えていた。思い込みで出来上がった空想かもしれない。それと年齢上なのかは聞いていない。写真参考書でも薄いが、本当にこれが僧帽筋?!まぎれもない。(次回の課題だ。先生に聞こう)
僧帽筋:後頭骨上項線第・項靱帯・C7T1~T12棘突起→肩甲骨・鎖骨
    副神経、頸椎神経C3、C4
 ※脳神経11番目の副神経は僧帽筋と胸鎖乳突筋しか?支配していない。運動神経支配のみ伝達。
  調べてみる気になった。また胎児からの発生起源からきていそうだな。

広背筋:腸骨稜・仙骨・T7~L5棘突起、第10・11・12肋骨→上腕骨小結節稜
    胸背神経C6・7・8
 ※幅広の筋肉が停止部にむかって束になり、ねじりをもっているその走行は、作用にとても大きい意味を持つのであるが、その構造は芸術的である。(マニアックの一端だな・・・)
広背筋と大円筋の夫婦関係?はまた次回として、僧帽筋より広背筋の存在は目立つ。(大きいからね)

 このように筋肉の名称を始め、支配神経にまで及ぶ。先生は、限られた時間の中で指示を出し、進めていく中で、筋肉の相互関係を本当に詳しく説明された。同じ作用をすると参考書に書かれている筋肉ではあるが、またそれはその機能を高める為にそれぞれの役割をもって存在する。その存在する意味を知ることにより、治療であったり、機能の向上への基礎知識となることは間違いない。
作業を進めるうちに、解剖実習する意味がとても身に浸みた。

 しか~し!感傷に浸る隙もなく、どんどん実習はすすめられる。
 以下、今回の記事では省略もあるが、細かい筋肉も拝見したつもりである。
肩甲骨周りの動きをチェック
 肩甲骨の動き
① 拳上と下制
 拳上・・・僧帽筋上部・中部、肩甲挙筋、菱形筋
 下制・・・僧帽筋下部、小胸筋(上方回旋)
② 上方回旋と下方回旋
 上方回旋・・僧帽筋中部・下部、前鋸筋(外転)
 下方回旋・・菱形筋・小胸筋(外転)
③ 外転と内転
 外転・・・前鋸筋・小胸筋(同時に収縮時、回旋せず外転する)
 内転・・・僧帽筋中部・下部、菱形筋

背部で見れる筋肉を先生とともに確認していくが、その中で背部の筋肉をすべて除いたあと
脊柱の中、つまり、脊髄をみる課題に移るが、回旋筋だったり、見たから実感するそのメカニズムが手にとれる。(筋肉の不思議に誘われこの世界に二十云年、まだ追求するか!!!マニアックなこの続きは次回にアップすることとする。

記事担当:講師:富士子