「馬尾神経」「腰痛」についてもう少し掘り下げてみました。
「腰痛」と自覚のある人の多い事多い事、アメリカ合衆国では2番目に多い神経疾患だそうです。そしてアメリカ人は年間500億ドルを腰痛治療のために費やしているという何とも言い難い国民病です。(ちなみに1位は「頭痛」)アメリカだと、腰痛の理由は 体重のせいかなと簡単に思ってしまいました。外人さんの太り方には特徴もありますものね。スケールが違う。
さて、その「腰痛」ですが、「脊髄終糸症候群」というのがあります。これも状態によってはMRIに映らないものもあり、「ヘルニア」なのか「脊髄終糸症候群」なのか[脊椎管狭窄症]なのかの誤診が日本ではあるとのニュースが過去にありました。
整骨院、整体、カイロ、鍼灸マッサージなどの機械検査を持たない医療機関系での誤診、もしくは病院などでのMRIにも所見が出ずに誤診なのか、その状況と統計方法はニュースでは定かではありません。
・そもそも見えない部分
・出る症状も各人の体型、筋肉量、年齢などでそれぞれ違う
・出る症状の種類がほとんど同じなので、診断が難しいというのが理解できます。
少し進行すると違う診断にもなります。誤診なのか正解も見えない状況なので、ごく一部のニュースの結果だけの情報を聞くとちょっと不安で、腰痛持ちの私もとても気になるデータです。(ただ、患者さんとの信頼関係を築く、状況の話し合いを度々しっかりすることが本当に大事だと感じます。問診は大事!)
「脊柱管狭窄症」も「ヘルニア」も軽度、重度の差はありますが、腰から脚にかけてのしびれや痛みが主な症状です。ただの腰痛だと診断されたり、症状改善しないので再診したら、馬尾神経に強く影響されているので馬尾神経を切らないと治らない腰の痛みだったということですね。
狭窄症の原因の1種類に神経根の部分を圧迫していることもある。症状も神経にそっての痛み、しびれ、腰を反らせると痛みが出る、ひどくなると麻痺や、間欠性跛行、排尿・排便の障害がでる。ただの腰痛も我慢したり、ひどいものは同じように痛みが強いといいます。筋肉量がもともと少なければ、ガクッと最初からダメージも大きくでるでしょう。
「脊髄終糸症候群」通常は、脊髄の終末は体を前屈すると脊髄は頭側に少し移動し、一緒に脊髄はゴムのように伸びる。これが、終糸が生まれつき硬い人は前屈すると伸びずにヘルニアなどと似た症状が起こる。ただ、最大前屈位で首を下げると痛みが強く出て、首を上げると軽くなるなどなどの診断基準の特徴はありますが証拠不十分なら、日本は保存療法になるとのこと。
解剖実習で先生にお聞きしました。
「アメリカでは馬尾神経が原因なら切断して痛みを感じる元(神経)を取る手術は普通」らしい。手術するしないの。
判断は日本よりスパッとしているようです。YesかNoかはっきり表現する人種の特徴もあるかと思いました。
私達みんな日本人なので「えーーー?」です。
だって普通に疑問に思うのが「馬尾神経を切るの?神経を切って歩けなくなったりしないの?脊髄を切る?」
先生曰く「もちろん、馬尾神経を切るかは、患者さんの症状によるけれど、実際に切ったことによって痛みもなくなる、歩き方も改善される」。確かに。ずるずる我慢させずに速攻ですね。
自分の意思をしっかり伝える外国人。
相手をまず考えてから自分の意見を決めやすい日本人を感じました。
患者の視点、医者の視点からみるとかいろいろあるのですよ(日本は・・)。
そこで先生に「ここで切る」という箇所を教えていただきました。ついでに、脊髄の注射をする位置も教えていただきました。「ここか・・」おおもとの大黒柱にはキズつけずってことですね。
ふむふむ。。。みんな興味しんしん。
いろいろよく考えると、そういえば日本人は「こうなってしまうから、やめとこう」「これが、最大の原因」とか、なる前に気にしすぎたり、あらゆることをしきりにこだわることも強めかもしれない。全く悪い事ではないのですが。
でも・・今回「生まれつき終糸が硬い人」という、この見えない部分の腰痛の原因がドキドキした。
腰痛持ちの私としては、「生まれつき終糸が硬い人は、50歳くらいで限界(?)がきて症状が出やすい」。マジですか。
なる前から不安にかられるのは、日本人である証拠かもしれない。(どこからどうみてもどうしなくっても日本人でしょ!)
解剖実習コラム担当:講師 富士子

解剖実習コラム担当:講師 富士子