96才のおばあちゃん。
背中が丸くなり、働き通しだった身体は背中が丸くなり真っ直ぐな基本姿勢にはなれない。
しかし 高年齢でも、「腸腰筋」を調整すると変形した下肢のバランスや脊柱も変化する。
骨粗鬆症がない状態だから手技治療も可能かもしれない。
高年齢を考えると完璧に理想とする姿勢にはならなくとも、曲がった姿勢でのお散歩が楽であればいいなと思っている。
今日のテーマは、「腸腰筋」
細かい歪みは別としても欠かせないポイントのひとつが「腸腰筋」である。
さて、「腸腰筋」を見ていこう。
まずは、身体のどこにあるか探す。
周知の通り、大腰筋と腸骨筋を合わせて「腸腰筋」という。
探索①
大腰筋は、T12からL4の椎体、肋骨、肋骨突起から起始し、大腿骨の小転子に停止する。
腸骨筋は、腸骨の内側である腸骨窩、下前腸骨棘から起始し大腰筋と合流する。実際に解剖実習では起始と停止を見て欲しい(中々見るのは大変だけどね。内臓を全部出さないと見られないの。)
探索②
興味深いのは「層」
連動する筋、拮抗する筋との位置関係を確定する。大腰筋と小腰筋。
大腰筋と腸骨筋。
腸腰筋と恥骨筋。
腸骨筋と骨盤底筋。
「腸腰筋」と内転筋。
腸骨筋と腸骨稜をかえしての臀筋。などなど、見るところは切りがない。
・腸腰筋の仕事
角度によって大腿部を屈曲させる、上半身を起こす、立位姿勢を保つ、脊柱を安定させることなどが仕事である。つまりこれが不安定な場合は、腸腰筋の調子を疑う場合がある。
特徴①
大腰筋は椎体から起始する。ということは、椎体の状態に影響を受けやすい。椎体の傾き、椎体の動き、そして椎間板の状態からも影響を受ける。
一心同体しやすいのはどの筋肉なのかご近所辺りから見て欲しい。
特徴②
腸腰筋は、腹部の筋である。
献体さんは上向き。
内臓を避けたうえでの探索となる。
腹部から横隔膜に向かって下から両手をいれていく。
大腰筋の一番上はどこかなと考えながらたどる。
以前にたどったとき、左と右の腸腰筋の高さと太さに違いがあった。
何故相違があるのかの答えは確定ではない。
献体さんの左右のバランスの違い、もしくは隣接する内臓の影響といわれている。
この筋繊維の膨らみ具合を実際に体験し、考察して欲しい。
「腸腰筋」の続きはまた明日!
講師:富士子