赤ちゃんの脊柱は、Cの字に後彎している。赤ちゃんは、寝ることが中心なのでタテの長軸方向の重力がかかる事が少ないからである。勿論、運動機能の発達とともに関節もしっかりしてくる。それに従って、うつ伏せで「頭を持ち上げる」、「手をつく」などから順々に「できる事」が増えてくる。最近は10ヶ月を待たずして立ち上がる子も多いと聞くが、きゃしゃだと(細身の子が多いのか)やはり進度も早いのかと感じる。私的には、ぼてっとしてムチムチっとして 手首の部分に3個のお団子のようになっている子を見つけるとかえって楽しい気もする。
7月28日 フィラデルフィア小児病院にて世界で初めて子供の両手の移植手術成功というニュースが世界を駆け巡った。
そこで知りたい疑問が3つ発生。無知な私のふと出た疑問です。次回の解剖実習の先生にお伺いしたいと思います。
① 既に腎移植を受け、免疫抑制薬を服用していたことが移植につながったという。なぜ?
② 管や腱の手術は理解できますが、「神経」をつなぐってどうなるのか。
(手術から2日後にかすかに手を動かし、2週間後には手を開いて閉じてができるまでになった)でも、大人での成功例を考えると、子供の方が復活再生は早いのか。
③ は8歳ですが、成長に従って上肢も成長するだろうし。またドナーを見つけるのか。そのまま成長していける気もする。成長期って凄いからね。
最先端の手術、知りたい知りた~いなgoodニュースでした。
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https://www.mededge.jp/a/oper/17252
さて、腕つながりでいこう。
神経のルートをたどるという事は、とても治療に重要である。筋皮神経のこの部分は、「腕神経叢」の一部分というのは有名な事実である。さて、ルートのおさらいをしてみよう。
「第5頸椎(C5)から第1胸神経(Th1)の前枝(ぜんし)」が「腕神経叢」といわれる。上下の神経が合流して「上神経幹」「中神経幹」「下神経幹」をまずつくる。鎖骨の下トンネルを通過しながらも「後神経束(こうしんけいそく)」「外側神経束(がいそくしんけいそく)」「内側神経束(ないそくしんけいそく)」という束につくり末梢に向かいます。
解剖の大庭先生には簡単な腕神経叢のルートの書き方を習っております。「Xが3つ、/(スラッシュ)1つ、М」。ここで何番と何番が合流して、下にまたいって合流して~なんて、実習で何がなんなのか分からない感動もいいが、実物見る前に先に机上での学習にはとても必要な事なのです。書いて書いて書いて覚える。
解剖実習では、この「腕神経叢」を毎回必ず実習します。つぶつぶドロリの脂肪さん達の中から取り出すのは泥水の中の神経を探すようなもの。なかなかキレイに取り出せずに結局、先生の力に頼っています。
「筋皮神経は烏口腕筋の筋肉を突き抜けている」さて、これをひとつ考えてみよう。
「筋皮神経」は頸椎から鎖骨の下を通過する腕神経叢の中の「外側神経束」より分岐する。上腕の前面を下って肘の辺りからはやや外側の母指側方向にいきます。筋肉でいうと「上腕二頭筋」「烏口腕筋」「上腕筋」。上腕を曲げる筋肉と前腕外側の知覚を支配しています。つまり、鎖骨下を通過後「烏口腕筋」を後面から二頭筋側(前に)するっともぐり込むように突き進む。
つまり筋腹を抜ける。
つまり「上腕二頭筋」そして「上腕筋」部分を這っていきながらそれぞれ支配する手を伸ばしている。
突き進んでいる部分がよくモーターポイントとなっていますね。
そして、「筋皮神経」は肘の前面部分からそのまま外側側へむかっていきます。
おっと時間切れ今日はこの辺で。
記事担当:講師 富士子
(参考画:画伯 富士子)