今回、肩甲骨についている筋肉をきれいに取り出そう計画を取り組もうと鼻息荒~くしていた私。何人かで好きな箇所に取り組むのだけれど、頚部も肩部も背面腰部も殿部も下腿にしても見たいところが満載。迷いに迷って肩部にした。見つかる確率一桁のリンパも見つけたくて、腕神経叢を探している間も「リンパ、リンパ、リンパ」ってモゴモゴ言ってました。
見たい課題が満載だから全員が夢中になって実習に集中する。いい感じである。今回初参加の鍋山先生なんて最初から最後まで2日間「うぉ~!」なんて叫んでいるので(叫んでないか?!)、みんなが新たに「発見!」みたいな気になって、いつもの筋肉の箇所がまた更に素晴らしく見えてきたのだ。終いには鍋山先生は、こちら現地での仕込みかサクラかなんて言われていましたね。勉強になっていただいてよかったです。
初参加者の最初の言葉が大体に似ている(笑)。いや、気づいていただいて光栄です。さて、それは何でしょう。最初に背面からスタートするので、必ず背中の浅層筋にご対面をする。
それは誰でも知っている「僧帽筋」のこと。
「薄い・・・」。そうなんです。僧帽筋が予想外に薄くて驚きます。私だってそうでした。「本当にマントか」っていう位のものです。これは亡くなっていることを加味しても「薄いものは薄い」。胸鎖乳突筋もしっかり太い。頸半棘筋や棘上筋も太い。でも、僧帽筋は「薄い」。でも、よ~く見て!3つの線維層があるのです。重要と考えていますか?ちょー重要です。これがそれぞれ「肩甲棘の内側端」と「肩甲棘の上から」「肩峰」「鎖骨外側」に付いていることに意味がある。薄くても「脊柱の棘突起」から「肩甲骨」をキーステーションとして頸と肩の動きを制御する。上部の線維と下部の線維は拮抗もするし、その先の上肢の動きを制御もする。僧帽筋やその他の筋肉がなければ、投球とともにすっとんでいるよ。深層の脊柱起立筋との関係もそうです。解剖実習の最大の素晴らしい部分の一つが「繊維」をよくみること。筋肉の線維の層をみないとはじまらない。「筋肉の線維」「筋肉の線維」もう一回「筋肉の線維」・・言い過ぎてな~い!この筋肉の線維の方向が人間のパフォーマンスに重要になっているのだ!!「層」の様子から筋肉を知る。・・・熱くなり過ぎた、暑苦しい?!
「僧帽筋」の下の層が僧帽筋を誤解させる。そこに何らかの症状があったら安易に皮下の薄~い僧帽筋のせいにしてはいませんか?みんなは大丈夫?
記事担当:講師 富士子
(参考写真:ボディーナビゲーション)