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2015年5月18日更新

胸神経

先日、ショックな事実を知った。
バレーボールに小学校から全身全霊で取り組みできた女の子。今年やっと高校3年生というピークをむかえた。アタッカーとしての器用な才能は小学生の時から数々の関節をもいじめた。彼女は何度も何度も悔し涙を流した。そして信頼する監督との出会いで中学・高校と強豪校へと進学。私のムスメとともにまた汗と涙の日々が続いていた。小学校から私の治療を受けてきたその娘同然の彼女が脳の空洞症という診断を受けた。そして昨日、マネージャーに転向した彼女の大会での姿を見た。その事実を今のいままで私に告げないムスメとその彼女の心情は図りしれない。確かに私になにができるわけでもない。今月、解剖実習に同行するにあたって改めて空洞症について調べてみた。私は第三者なのに調べれば調べるほどあまりの深刻さに体の力が抜けていった。
「進行する」ってなんなんだ。。。

解剖実習を経験すると、いろいろな病気やケガの時にクリアな状態で脳内に浮かんできます。インターネットや本で調べた「映像」や「写真」や「絵」や「文字」から想像する壁の向こうの世界とは全然違うことに気づきます。壁を隔てた状態からの視点とは違い、実際感が出るのです。そしてまた今回の解剖実習では「神経」も焦点のひとつです。
神経の中でも「神経叢」に人気を取られそうな「胸神経」。胸神経のクラスのアイドルは「肋間神経」です。「肋間神経痛」で有名ですね。

kyoushinnkei

「胸神経」
胸神経後枝 背中の皮膚・筋肉を支配する。(知覚神経・運動神経)
第1~第11胸神経前枝。「肋間神経」
第12胸神経前枝・・・「肋下(ろっか)神経」
胸神経の前枝は神経叢を作らない。肋骨の下の縁にそって横から前面胸骨に回りこむ。第7肋間神経以下はお腹中央、ナナメ下方向に向かう。
「肋間神経」は肋骨と肋骨の間の「肋間筋」を運動させる神経です。肋間筋は呼吸のための筋肉です。その他、前側にむかった神経は「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹直筋」も支配しています。肋骨に隠れているのか守られているのかこの肋間神経は肋骨にキレイに沿って配列されています。これも解剖実習では確認します。
あまり聞くことの少ない「肋下神経」ですが、骨盤から下腹部部分の知覚神経をつかさどっているのが第12胸神経の前枝の肋下神経の仕事です。 

今日はこれまで。

記事担当:講師 富士子
(参考写真:富士子力作)