最近の記事は今月の解剖実習に向けてのチェックポイントをチョイスしています。
以前の記事の中に「胸郭出口症候群(TOS)」を取り上げています。
脊髄の腕神経叢C(頸椎) 5~Th(胸椎)1番までの範囲が関係します。それが抹消にいく間に約3か所の難所を通過するときに障害があれば抹消の範囲にむかって症状が起こります。
約3か所の難所とは「前斜角筋」と「中斜角筋」の間を通過する部分。鎖骨の下を通過する部分。「小胸筋」と肋骨の間を通過する部分。それらに何かが起これば「知覚障害」や「運動障害」という症状が出やすい。「知覚障害」では軽度では「何か変な感じ」という違和感から「感覚が鈍い」まで様々。「運動障害」では動きが鈍い、つまり思ったように指が動かない状態まで。それ以外は「霊感」じゃなく「冷感」「チアノーゼ」「浮腫」。
不思議なことは「冷感」。冷たい感じがすると自覚する前から知らず知らずにさする動作をしていることも多いです。「チアノーゼ」と「浮腫」も全てが、同時に難所を通過している血管も同時に循環障害が起こっている状態です。「チアノーゼ」「浮腫」は眼にみえてわかるものです。腕神経叢だけではなく動・静脈も障害があるとなると医療機関での受診が必須となります。
今回のチェックポイント。この症状の中の鈍い感覚や冷感が起こるのは何かという部分です。
「交感神経」の登場です。でも「交感神経」を語るには莫大な量の記事が必要となるのと私の未熟な文章力では未消化になりやすい。簡単明快な図式の絵の方が一目瞭然。だから、今回はその部分をハショルことにした(大笑)。
完璧言い訳ですが、今回私が伝えたい部分だけで許して欲しい。
脊髄神経の輪切り図を思い出して欲しい。「前角」「後角」とありましたが、交感神経は「側角」から起始してからすぐその近くに「交感神経」の「幹」を形成しています。「節」はなぜあるのか。このリンパのようなぷっくり「節」は神経から神経への乗り換えの駅である。東京駅みたいなイメージかな・・。この「交感神経幹」は頸部に3つ存在します。それぞれ「上頚神経節」「中頚神経節」「下頚神経節」という名称です。
その「中神経節」と「下神経節」は前述したTOSの第1の障害部位になりやすい箇所に存在している。
存在すると同時に枝をだして腕神経叢に合流していて同じように神経のなかに紛れ込んだように同じ流れで抹消にむかう。
TOSで冷感などが起こるのはこの交感神経に影響があるといわれている。交感神経が興奮して抹消血管が広がるがこれが障害されればそれが伝わらず末梢血管拡張せずとなる図式だ。特に正中神経と尺骨神経には多くの交感神経が含まれる。なので前腕部に症状が生じることが多いのもそのため。
今回の解剖実習では、この「交感神経節」を見つけ手に取り輪切りする!!!!!
リンパのような形状のこの神経節を輪切りにして何がみえるのだろう。・・・たぶん見えない気がする。液体だけかもしれない・・・。でも忘れないようにがんばります。
記事担当:講師 富士子
(参考写真:ボディナビゲーション)