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2015年4月14日更新

解剖実習案内 富士子編

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5月の解剖実習がせまってまいりました。
解剖実習では、神経を確認するのもメインとなっております。
脊柱を分解しての「脊髄」は何度みてもあまりにも神秘的です。私だけかもしれませんが身体の中で一番「美しい」のではないかと感じます。それは「白い」というものが美しく感じさせるのか「柔らかい」というものが繊細さを感じさせるのかは不明です。

解剖実習では、この世界に入って間もない方の興味もさることながら熟練者にとっても真髄をみた神聖な衝撃をうけます。例えば、たくさんの仏像や美術品、工芸品が存在する日本です。本物のそれらの美術品をみると(あまり興味がないとしても)自分たちの心に現れる不思議な感銘を受けたりします。うんちくを知らなくても同じです。人間の身体に携わるものとしての「本物を知る」とはその感覚に似ています。本や写真やネットなどで習って覚えてという学習方法が主流ですが、自分の正面で取り組むと決めたものに関して大事な経験になることでしょう。普段、相手の身体が手から伝わる、見えているという感覚は味わいずらいものです。なんとなく見える感覚はあるでしょう。マッサージ技術も手技をやるのとそれはなんなのかを捉えてするのでは実際に全く違います。
「感覚を養う」ということをしつこく訴えるのには時間がかかります。しかし、解剖で受けた感覚は一瞬で「感覚」をもらえます。あれだけ講義で訴えた時間と労力と学習がひっくり変えるくらいの短い時間で生まれる「感覚」です。
そこから今までの学習が活かされてくるのです。それは右と左の線が脳の中でつながった瞬間なのです。そこから脳がフル回転して自分に何が足りないのか、何が必要なのか何がこれから必要か見えてくるものです。解剖実習は素晴らしい時間をくれます。献体にも感謝が生まれてきます。最後に両手を合わせた瞬間に自分の心に「自信」という1本の芯が生まれているはずです。  講師 富士子