仕立て屋のポーズが縫工筋の象徴だがそれだけではないとするなら・・・。
もし仰向けで、仕立て屋の姿勢をして足首を自分の膝に乗せてみた。(なぜそんなことをするのかは聞かないで)。縫工筋が外側に倒れてもっていかれそうな強い筋バランスに負けずに制限した「つっぱりひも」だとするならどうだろう。
「大腿三角」=「鼡径靱帯」+「縫工筋」+「長内転筋」
もちろんこの三角を見つけたのも人間で名称も付けたのも人間。「重要なものがこの三角の中にはあります」という三角かもしれないし構造上の重要な三角かもしれない(たまたま三角にみえたのかも~)。「方形」が点在しているのも「三角」が点在しているのも進化の過程で三角になっただけで必要だからそうなっていったのである。大腿で目立つのは前面の大腿四頭筋だが、人間が4本足歩行なら表面は外側面であり、外側を「盾」とするならば縫工筋から内転筋は盾に対しての内側の「骨格」にもみえる。
(一応いっておきますが、直立の姿勢と仕立て屋の姿勢(足組み)での筋肉の状態や定位置はズレがあるのを頭にいれておいて下さい。)
仕立て屋の状態での「大腿三角」の底の部分は「腸腰筋」「恥骨筋」「長内転筋」。
内転筋は軽く(?)二層になっていますね。「短内転筋」「大内転筋」はその「恥骨筋」「長内転筋」の下の層となっている。「大腿動静脈」「大腿神経」「鼡径リンパ」は「腸腰筋」の上側で下腿に向かって鼡径靱帯のトンネルをくぐっている。(肩の鎖骨下を通っている腕神経叢と似ている♡)
詳しくいきます。
「腸腰筋」=「大腰筋」+「腸骨筋」
「大腰筋」は腰椎の椎体と横突起から大腿骨の小転子まで。「腸骨筋」は腸骨窩から大腿骨の小転子まで。「鼡径靱帯」は上前腸骨棘から恥骨結節を結んでいる。「大腿動脈」は鼡径靱帯のほぼ中央部分の下を通過している。脈拍は頸動脈や手首と同じように感じることができる。
「大腿神経」は「大腿動脈」の下に位置する。その下に「腸腰筋」がありその下に「関節包」があり「股関節」がある。先程「大腿骨頭」は「大腿三角」の中央といいましたが、前面からすぐアプローチできるわけではないがそこに位置しているということだけ。実際はそこまでたどり着かない。それに腸腰筋の後ろにあってもまたその関節包が厚く前面をおおっている頑丈さをもつものなのだ。
解剖実習では必ず確認する部分のひとつである。
「リンパ」があり「大腿動脈」「大腿神経」「大腿静脈」。感染があれば、ここに鼡径リンパの腫大が見つかる。大腿動脈の拍動がなければ、その前の「総腸骨動脈」や「外腸骨動脈」に何かが起こっていれば拍動は感じない(らしい)。大転子ではなく大腿骨頭はまるまるこの三角のド真ん中に位置する。タイ古式マッサージでは上半身より下半身の手技がとても多く、この大腿動脈をいったん止めてから流すという手技もあるし、内転筋へのアプローチも前面外側同様の扱いである。日本の指圧はこの内側面はほとんど他面より少ない。オイル系マッサージは仰向けでも腹臥位でも手が届く範囲ならすべらせながらもしっかり網羅している。なんか、ここも大事なんだなと思うしここの流れを良くする方法をよく考える。座っていると折れ曲がって循環悪くなるものね。
・・・今回も勝手な考察をずるずると述べているとこれは面白いものを見つけたのではないかと錯覚するが私を100%信用するのも微妙だぞ。記憶は薄れかかるし、記憶違いもあるし、記憶ごちゃまぜになるし、お腹がすくと機能停止するし、おしゃべりおばさんの話だし。すべて私の考察・観察・妄想・・(悪い癖♡)。正しいかどうかは本で確認するか、解剖実習にくるかだな~!
記事担当:講師 富士子
(参考写真:ボディナビゲーション)