宿題を保留しておりました。
例の「タナ」です。鍼マッサージでの治療で鍼を伝わってくる感触はあっても実際にその挟まった「タナ」をみたわけでもない。しかし、膝の調子が悪い状況の時に疑うことも必要な頻度のある種類です。これをどうしても取り上げたくて 柔道整復専門学校の脇坂先生のお力をお借り致しました。お時間と労力を戴いたことに大変大変た~いへん感謝しております。(真面目です)
(この写真のオレンジ印の辺りが痛くなるといわれるね。 参考写真:右足)
身体に関しては、解剖学方面の先生方、整形外科の先生方、理学療法士の先生方、柔道整復師の先生方、カイロプラクティックの先生方、スポーツトレーナーの方々、義足などを制作している専門の方、書物を含め数えきれないたくさんの方のご思考ご意見を私の未熟な脳でかみくだきながら考察させていただいております。
解剖で凝視しても解決できない部分に関しての解答は「なんだろう、どうなっているの」とうるさいおばさんの助け舟となっております。感謝。
下記に脇坂先生に選んでいただいた私にも理解しやすい解説を記載させていただきます。
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タナ障害のことは柔道整復師の教科書では【膝蓋大腿関節障害】の中に分類されておりその中の【滑膜ヒダ障害(タナ障害)】で記載されています。
【滑膜ヒダ障害(タナ障害)】
胎生期に関節内に存在する滑膜隔壁の遺残したものが滑膜ヒダと呼ばれるもので膝関
節内には膝蓋上滑膜ヒダ、膝蓋下滑膜ヒダ、膝蓋内側滑膜ヒダ、膝蓋外側滑膜ヒダの
四つの滑膜ヒダが存在する。この中で主に臨床的に問題となるのは膝蓋内側滑膜ヒダ
で、膝関節の屈伸に際して内側膝蓋大腿関節内にはさまれ、疼痛を主とする症状を呈
する。これを滑膜ヒダ障害(タナ障害)という。若い女性に好発する。
[症状]
運動時に膝蓋骨内下縁に疼痛、違和感を訴え、同部に圧痛がある。膝関節屈伸でク
リックを触知し著しいときは雑音を聞くことがある。
[治療法]
包帯固定、運動の中止などによる局所の安静が基本となる。
保存療法で症状が改善せずに頑固な疼痛、嵌頓症状が存在する場合は関節鏡視下に切
除する。
(参考文献:柔道整復学理論編(改訂第5版)発行所 株式会社 南江堂 P400)
神中整形外科
【タナ障害】
タナ障害は膝蓋大腿関節の内下方に疼痛を生じる内側滑膜ヒダの障害である。膝蓋大
腿関節の内下方を抑えながら屈伸すると同部に索状物を触れ圧痛が存在する。しかし
あくまで他の疾患を除外することから着手すべきで稀な疾患であくまで認識すべきで
ある。
狭義のタナ障害は鏡視下手術1400例中29例(2%)と報告
形態からABCDの4型に分類
幅が広いタイプがC型、開窓したタイプのD型がまれに有症状となる。関節鏡でタナ内縁がささくれだち膝蓋大腿算関節の間で捕捉された痕跡があるものや嵌頓症状を呈する。
D型タナの場合には手術適応になる。症状、タナに相当する部に限局した圧痛、鏡視所見を総合してタナ障害の診断を下す。
訓練を含む保存療法で軽快しない例に対しては鏡視下にタナを切除する。
(参考文献:神中整形外科下巻22版1刷 発行者 南江堂 P937)
最後の部分で「保存方法で軽快しない時は切除」とあります。この辺がたくさんの分野の先生方の連携プレーが必要な部分です。切除したらもう解決かといえばそうでもない。一生の自分の関節です。メンテナンスの大切さにうるさくこだわりたい私なのです。
記事担当:講師 富士子