前回の続きである。
半月板は繊維でできた軟骨である。
解剖実習で膝の中に手をいれ実際に触診した時には、骨とは違った感じはわかる。だが、それが同じクッションでも脊柱の「椎間板」とは違うなんては鋭い感覚は持ち合わせていない。骨とは違うってだけだ。骨らしい骨と軟骨と椎間板などの触れた感じの違いは感じてもひっくるめて全部が硬い!もっとブニョッとしているイメージだが、亡くなった方ではブニョブニョに対しての供給も無くなり薬も入っているのでそうなるのも仕方ない。
「内側半月板」は「環状靱帯」によって「脛骨プラトー」に固定されている。
足首を片手で持ち内側に捻ると(脛骨を内旋したときに)大腿骨と脛骨の間で内側半月板がわずかに触診できる。その足首を外旋したときに内側半月板が後退する。
「外側半月板」は同じく「環状靱帯」によって「脛骨プラトー」の周縁に固定されている。
こちらは軽度の屈曲がもっとも触れやすいが完全に膝を伸展(膝を伸ばす)したときに隠れてしまう。(皮膚外側から外側関節裂隙を触れていくと半月の前縁部分を感じることができる。膝の軽度屈曲時にもっとも触れやすい)
外側半月板は「膝窩筋(前回記事参照)に付着し
ている」が、「外側側副靱帯には付着していない」ので内側の半月より可動性をもっている。
前後左右にまもられながらもスライドしていることを知る。それは逆にいえば自由をもっている関節だが周囲がしっかりしている(守られている)からこそ膝関節にかかるいろいろな角度のある負荷の大きいスポーツの動作ができるといえるのだ。これも一生寄り添う部品だ。
股関節は埋もれながら守られているが、肩関節は膝関節よりもっとシンプル。足首手首は」繊細で細かい。と考えると膝関節はがっつり周囲をガードされている関節だって気がしてきたでしょ。だからこそ前後左右のバランスが大事でどこかが崩れたりすると痛手。メンテナンスを怠らないことが必要である。
余談。人間の重心位置は「仙骨前S2」である。重心とは人間の身体の中で最も動かない場所。でも「骨盤の中」「へそ」など諸説あります。でも「足底から約55%」の部分であるという通説は同じ。よく「下っ腹(?)」「丹田」を意識するとかの言葉は大体合っているのだ。重心があり両足が体重を受ける。膝を通り足裏へ。リフレクソロジーをしているとその方の重心点が硬い皮膚をしていることがある。履く靴や身体バランスで違いがある。
毎日マッサージしているとその方が手を伝ってとても感じられる。
そのがんばっている皆様から「ありがとう」といって帰られた時、「この仕事を続けている意味」が見える気がする。
記事担当:講師 富士子
(参考写真:ボディナビゲーション)
解剖実習アカデミーは、どんだけ「ボディナビゲーション」を愛しているんだ(笑)