全てにおいて、先入観というのは、なるべくもたないようにしたい(と思っている)。
なぜなら似たり寄ったりの症状である(笑)。見えないときもある。
確かに、初検は大事ですが、数日の経過観察の中で答えが明確になったとか、という猶予もあっていい。そうやって、納得して覚えていくもんだ。
人の身体は、条件も違う。よく考えて考えて正しい診断を目指そう。
実際の話。最初にわからないでどうするって話だが、経過を追った上で、もしかしてここも痛めてますねとか、判明しても対処できれば大丈夫ですよと。お客様、患者さんとの信頼関係があれば問題がないと考えている。
さあ、もう一度考えよう!
違和感を感じている部分は、ただの腫れなのか!
固定具合は充分か!
ズルズル長引かせていないか!
等々、考えていこう
「身体を読む力」。だから、解剖勉強するのだよね。
「読む」・・・私は「消去法」が多いかな。これは大丈夫、これは大丈夫で、全身のバランスをみていって、答えを出しているかもしれない。
さて、膝関節はみんなが患いやすい。確率が大変高い。
しかし変形性~などのよく知られた種類を確実に知ることによって、「あれは、これはいつもとは違う」などという判断ができるかもしれない。
(おまけ。世の中には、一般に浸透していない細かい病気が多い。過信注意。)
解剖実習で、膝の関節内に手を入れ内側からの触診。
予想外に滑膜は超薄いマジ薄い結構薄い。
滑液はきれいにトロッと滑らかだが水っぽくはない。
チェック項目いきましょう。
頭の中で、問題なしか!ありか!処理する。左右差も診る。
まず、全体(関節内)か、局所性(滑液包)か注意する。
滑液炎
滑膜肥厚。
正常が分からなければ、異常が分からない。
滑膜炎、多い箇所を列記してみた。何度も出た名称である。「図」でチェック!
膝蓋前滑液包炎(膝蓋骨の上)、
膝蓋下滑液包炎(脛骨の上)
嚢腫(膝窩)
鵞足滑液包炎(脛骨粗面の内側面上)
例外・・・だいぶ年配の方のぷかぷかな膝蓋骨の浮き具合は年相応の筋肉不足。両膝を比べる、痛みがあるか、オーバー体重かなどで判断できましょう。
障害、病気はきりがないのですが、その「ぷくぷく」に関して、専門的知識との対応が必要です。でも知っておいたほうがいい。何故ならば、あなたの身にも起こり得る身近な問題だから。
この蝶番関節の膝。
蝶番のねじがひとつ緩んでもぐらつきます。
前後左右のどこかがバランスを崩したら、やはりシワ寄せがどこかにでます。年齢が高くなれば、筋力も落ち、内側の変形性膝関節症やぐらつきも(たぶん)でる。
自分達で対応する技術は、手技、手加減、回数、抑える箇所は練習で感覚をつかもう。
明日、腹部に「網」があるように、膝には「小僧」だけでなく「タナ」もある。
・・・・なんだろう。
記事担当:講師 富士子
(写真引用:図解 四肢と脊柱の診かた)