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2015年2月13日更新

鵞足(がそく)

「鵞足」の話をしよう。
「縫工筋」(大腿神経)、「薄筋」(閉鎖神経)、「半腱様筋」(坐骨神経)の付着部を「鵞足」という。
全く違う支配神経をもち、起始部からの方向性もおもしろい。違う流れできながらも同じ箇所に止まってワンクッションって感じ?!スポーツの動きにおいてこれがどんなに大切か。
さて、この3つを説明していこう。

私の好きな「上前腸骨棘」私のチェックポイントである。

≪一つ目≫
「縫工筋」、上前腸骨棘から鵞足までの細い筋肉である。浅在筋。
この名称は、有名な話。縫製職人のあぐらをかく姿勢からくる。(股関節の屈曲・外転・外旋、膝関節屈曲、下腿の内旋)
腸骨のカーブをきれいに脛骨までもっていく。Sの字を描くようである。
太さは、指2本分もないかもしれない。見た目、この細いのが何の役に立つのであろうって思ってしまう頼りなさ。あぐらをかく姿勢をするといってもほかの筋肉でも出来てしまう、あなたは本当に必要かと思いきや、前腕の細い筋肉が指を動かすと考えると充分かもしれない。

≪二つ目≫
「薄筋」これまた、記憶に薄!って言われそうでないか。前回「図」で確認していただいた「恥骨結節」から鵞足までの筋である。

≪三つ目≫
「半腱様筋」。これに関しては、最初に解剖実習で拝見したときの印象は抜群に驚いた。「半膜様筋」と「半腱様筋」のこの名称と筋肉を全く注目してはいなかったものだから、「筋の半分が腱になっているから、半腱様筋」「筋の半分が膜のようになっているから、半膜様筋」本当にまんまそうだった!!この内腿の重なった部分。半腱様筋をよけたら出てきた、出てきた。(長頭、短頭とかよりうけた)起始は坐骨結節。
ハムストリングの内側をしっかり構成する半腱、半膜。停止部は、半膜の方は脛骨の内側顆の後面。ちょっとズレた位置である。「図」で要確認。

「鵞足」は脛骨粗面の下内側。内顆の形がすぐ触れる部分なのである。
スポーツ選手や高年齢の方たちにとって、痛み出したら長くなる面倒な部分である。
原因を少し考えてみよう。内外側の筋力のアンバランス。大腿後面の柔軟性不足。大腿前面の筋のカチカチ度合。膝の冷え。下腿の負荷の膝への戻り(階段昇降で約270キロの圧力)。運動不足に高負荷。あぁ悪循環キリがない。
もう一度、鵞足部をみてみよう。縫工筋、薄筋、半腱様筋の順に付着。少し上には、大内転筋の停止部もある。
骨感しかない。マッサージしても効いているのか感じにくい。でも、効く。
やっかいといえばやっかい部分だ。さて、どうするか。
経験上、痛み出したら安静・冷却・固定が揃わないと絶対治らない。1つでもかけると治りの時間も長くなる。合うサポーターも種類、目的がとても違う。どれだけ試したか数しれない(成績のいい営業マンだったな)。外す時期も見極めが必要。水腫などちょっとした圧迫包帯も大事な時もある。
膝の筋トレがまた難しい。正しい負荷のかけ方をチェックしないと屈曲しだいで、内顆にマイナスとなる。
でも、私は膝の治療が得意なんだな~(鍼効きまっせ) 

記事担当:講師 富士子

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(参考文献:図解 四肢と脊柱の診かた)