皆さんが知りたい解剖の10位以内に入っているかもしれない「股関節」 これがね~中々難しい。外科的手術の見学をさせてもらっているわけじゃないし、献体の方が亡くなる前に「股関節に怪我がありました。」と書く事はほとんど皆無のような気がするので。もちろん、股関節変形症による歩行困難な患者で、何十年も車イス生活だったというのであれば、ご申告もあるのかもしれないが、私は今まで出会った事がない。なので、今回の献体カレンさん(仮名)も股関節を開けた時に「これ!」といった何か障害を視る事は出来なかった。
しかし、うつ伏せになっている時の献体は、左の足首が浮いている状態で左脚は内旋するのが難しそうであった。なので仰向けの状態にした時は極度に左脚が開いていた。 これは保存状態の問題か、それともカレンさんのビア樽状の上半身を支えきれない下半身に何かが起きていたのか。こればかりは想像することしか出来ない。
で、股関節を外さないにしてもかなり開いて視る事ができたので、この辺りをシェアしたいと思う。
切開して最初に視えるのは、またまた脂肪。(慣れてね(笑) まず視えるのは脂肪だから。)
切り進めていると、大腿四頭筋に先ず出会うと云いたいところだが、せっかくだから外旋し過ぎている左脚の内転筋側から開いていった。股関節に関係する筋肉に関しては富士子講師に任せるとして、(勝手に振る)
私は股関節周囲の「リンパ節」について少しご報告をします。
下肢を視ても「リンパ管」の確認をする事は出来なかった。それほど薄いものなのです。解剖の先生は「手術用の手袋より薄い物をイメージしてほしい。」との事。 じゃサランラップくらいか?
「腋窩リンパ節」では、腕神経叢を重視していたため、リンパ節は早い段階で掻き出した模様。
そのリンパ節、「鼠径リンパ節」を視る事ができた。 ぷくぷくとした「小さな大豆」のような袋状のものでした。ちょっと可愛らしかった。
でもこの可愛らしい、リンパ節がフィルターの役割をして、身体の中の悪いものを選り分けて、他の細胞がその悪いものを食べてくれる。凄い働き者の大豆さんです。(ふふふ)
さてマッサージという意味で話すと、リンパ管の流れを良くするものはソフトなマッサージ。リンパ節に関しては深層部であるため、上手に圧迫法を使うのだろう。そしてやはり決して強い刺激ではないはずだ。(うんうん)
リンパ長くなるので、この辺で富士子講師にバトンタッチ!
(・ω・)ノ
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小池編集長!
ツッコミからでいいですか?
「股関節」が10位以内というのは、大まかにいきましたね。好きな関節ベスト1なのに・・・・大笑いしてしまいました。ベスト1が10個もあるとか・・・皆さんはどう、お考えでしょうか。(超超大笑)
余計な部分で時間をとってしまいました。
私の脳内は、今、明後日のセミナーの「肩甲骨」しかないのですよ。(自分が忙しいからと言って、股関節を放り投げてよこしたからに・・・。)
(うふ)
≪解剖続き≫
うんとっ、股関節での個人的注目ポイントはいっぱいありまして、お酒がないと語れない・・いや頑張ります。
まず、うつ伏せの状態で完全に厚み2センチ弱の表皮を股関節から足首まで(つながった状態で!)筋肉浅層と分離しました。
ん?膝周りはあえて慎重に残した。厳密には上下ですね。
下肢の脂肪は上半身とは比べものにならないくらい細いがやはり表皮付近には存在する。
このかかった時間は驚くなかれ片足5分かかったのだろうか・・・。(毎回やらせていただきますよ。)
気合いと勢いののったところで一気です。
考えてください。
これが、あの「筋膜ストッキング」というものではありませんか。
そこの筋膜の層の厚みを持った大腿外側の「殿筋膜」から「腸脛靭帯」。(編集長好きだよね)
このカチカチの靱帯の前部に、遠慮がちな「大腿筋膜張筋」。
予想以上に小範囲。これが腰が痛いと、必ず張っている。
まず、体重の左右差に滑車がかかる。(滑車にかかる?「滑車好き♡」)
ただでさえ、荷物具合や、重心の位置で硬い。腰をかばった姿勢を作り出し、腰に合わせてピンとは伸びない。
この「大腿筋膜張筋」(長い名前だな3回言えないよ)、をほぐす方法はいたって簡単にいく。(それはまた今度)
ここに3層になっている「大殿筋」「中殿筋」「小殿筋」3兄弟。小池編集長の好きな次男坊の「中殿筋」。
股関節の大転子の一番上をくるむ「停止位置」。さも、レバーを上から握って自分が動かしてますよって、感じ。そして次男坊のこき使いにも負けず頑張っている三男坊の「小殿筋」の「停止位置」は、大転子の上から抑える「中殿筋」の停止位置の前面。主役ではないが、背中に大きなものをしょっている役者さん。太腿の筋肉もりもり大スター軍団の間にいます。チョナン・・長男の「大殿筋」、怠けていますよ。たるたるじゃないですか。もう、「脂肪さん」と間違えるかた続出です。表舞台の花ですので、夏に向けてひきしめよう。冬眠しやすい、長男「大殿筋」です。
解剖実習では初日にお目見えするこの筋肉。筋膜具合も気になりながら、もくもくと「おしり」に集中。ひとつひとつ分離する。想像以上にサイズ小さ目。たぶん、脂肪の層が凄すぎて見誤ってしまいがち?
・・・・・股関節最深層になかなかいかない。中には、「双子ちゃん」と「ふ梨ー」もいる。長女長男兄弟の「閉鎖筋」も、やくざな「坐骨神経」。伸長の違う叔母さん姉妹たちの「内転筋群」(うちの4姉妹みたいなものだ)。「大腿方形筋」のBARマスター。いい味だいしてるね。・・・・・編集長、教育番組キャラクターになってしまいましたが、仕事が入ってますので預けます。ホレ!!
富士子
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富士子講師ありがとうございました。
普段から「股関節大好き」って話してるから振ってみました(笑)。
さすがですな!
何故、【股関節とその周辺】という題名かご理解頂けたと思いますが、やっぱり「股関節」だけをズームインするのは中々難しい。
今日はこの辺で!
記事担当:講師 富士子
小池
記事監修:講師 富士子