昨日は、心臓の解剖実習報告をさせていただきました。
動脈は、大半が身体の深い部分を走行しています。しかし、何か所かは表皮近くを通過。よく知られているのが頸動脈と手首の脈をとる橈骨動脈。橈骨動脈での脈動は東洋医学では大事な診断基準、つまり身体の調子を知るポイントです。
解剖学の参考本などでは、血管類は太くて注目する部分しか記載されていません。でも、頭部、頸部だけでもビックリビックリビックリするほどの血管があるはずなのに、目立ちません。
しかし、脊髄の馬尾神経の軟膜に小さくて細い細いあの血管に(眼鏡をかけていたのもかかわらず)眼を近づけてみた。馬尾自体が乳白色だった為に血管がたまたま見やすかっただけなのだ。髪の毛よりも細い。あそうそう、自分の眼球を鏡で見ればいいのだな。視線をずらしながら見る、白目の部分に這う血管はか細い。
左心室からでた上行大動脈、左方向へカーブする大動脈弓、下へ向かう下行大動脈。いやあ、ホースですね。太い。でも先生が下行大動脈、ちょっと太すぎると言ってました。そういえば、心臓も肥大していた。???
大動脈弓から上に向かい腕頭動脈(右側へむかう)、左総頸動脈(左側)、左鎖骨下動脈(左側)に分岐。腕頭動脈はすぐに右総頸動脈、右鎖骨下動脈に分岐。(両方の頚の脈をとる部分(のどぼとけの両側)が総頚動脈だったよね)
脳へむかう血管である総頚動脈から分岐した内頸動脈は脳に酸素と栄養を運ぶ大事な血管。
頭蓋骨にはいった内頸動脈は眼に向かう動脈と前側、中側の脳にむかって枝をだします。
昨日、セミナーの相棒、アラシ君の椎骨部分に椎骨動脈を通しました。鎖骨下動脈からの椎骨動脈は頸椎の横突起の穴を通過していきます。意外と穴は細いし真っ直ぐじゃない。でも、穴を通るっていうルートがちょっと面白い。頭蓋骨に入ったあと右血管同士で合流したあと、左右の血管も合流する。
この説明以上に細かい血管たちが頭蓋骨にネットをかぶせたようにはりめぐっているのだ。頭蓋骨の外側もそうなのだ。(想像以上と考えて欲しい)
全身の血液量の20%が脳に送られるということは、単純にいっぱい必要だってこと。
解剖実習では前回、脳内は拝見できませんでしたが、頸の血管は想像以上に細い。毛細血管はもっともっと細くてたぶん肉眼では全部は無理。
その細さでどんどん血液を重力に反して頭へ上げている、全身へ送り出す。
「御見それしました」
血液が全身を一周するのに約20秒程度。
ぼーっとしている間に何十周・・・。せめてさらさら血液にしようとがんばりましょ~!
記事担当:講師 富士子