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2015年1月21日更新

腹直筋を解剖しましょう

本日は、「腹直筋」解剖します。

解剖をしていての疑問や発見で「すごいな~」というこの感動は、小さな部分でさえ知識をひっくり返す威力がある。記憶を改めるものばかりです。長年の先入観でできた偶像が、目の前に答えを見せられ揺るげられない瞬間である。そこから、どう日常に生かすのかはその人次第ではある。

表皮と脂肪層をまず分離する作業に時間がかかる。右手でメスを横にスライドさせながら表層に近い腹直筋にキズを付けないようにする。
剣状突起とその横の肋骨をさがしだす。
そこから恥骨稜までの腹直筋は、献体が女性なためなのかとてもとても薄く厚みがない。
厚みは約5mm前後。上下に長さはあるものの、恥骨稜部分では幅が7㎝くらいか、狭まっている。上下も筋腹も判別しやすい。

何が大変だったか。羽毛布団のように「腱画」によって区分けされた凝縮して硬い部分。これが筋膜との密着があるためだ。少しずつ少しずつ使い慣れないメスで押しすすめる。メスは当たり前だが非常に切れる。本来、雑な性格を押し殺し筋膜をつまみながら作業をすすめる。表面との密着、腱画近くの硬さ、その「腹腱膜」にうもれて?中に?存在し密着。

そうそう、腰側にも硬い硬い「胸腰腱膜」が存在。腹側にも「腹腱膜」があり前後に体幹を支える。「腹腱膜に付着している外腹斜筋」

「腹腱膜」の薄くてしっかりした硬い部分は腹直筋を包み最前線に押し出している。

「そうか、前後に腹腱膜という壁があることは「さやえんどう」だ!!」と思う。自分の判別不能な腹筋を触ってみる。もちろん!私の憎き脂肪層の下にあるので、「腱画」どころか腹直筋さえ判りはしない。

ちょっと企画として、この年齢で一日100回やるとどう変化するかいけるかな。(50回にしようかな。30回・・絶対くじける・・・・。)

解剖実習にもどろう。ちょこまかちょこまか~ちびちび浪費時間をかけながらもしっかり「腹腱膜」から掘り出す。農家の方が縦に埋もれている「長い長いも」掘り出す時に折れないように周囲から少しずつ土を掘り出す。そんな状態。腹腱膜と腹直筋の密着した繊維が作業を滞らせる。

片側だけだけど終了したときは、筋肉の繊維をしっかり見えて、全体像を判別できたことに安堵した。僧帽筋もそうだけど、薄い筋肉ほど泣きが入る。「先生・・・手が鶴・・手が攣ってくる・・」。でも、この作業がこの筋肉を忘れられないものにしてくれる。

筋肉に対して、きちんと向き合う。そんな、意識を私に植えてくれる。そうなんだよ、この地味な作業が今の私にはとても大事なこと。自分の弱さと雑さと単純明快な思考回路に立ち止り、考える大事さを教えてくれる。(そんな大げさか?)

しかし、終了し克服した(?)納得感は「僧帽筋」「腹直筋」をはじめ(他にもあるが)その「薄い薄いうす~い筋肉」という筋肉の種類を脳に印象づけた。(女性の筋だし)

すみません、先生、ここで時間をかけてしまいました。一日が短い。
そこで、インターネットで仲間たちと「ボディービル」という検索ワードで探した。
出ました出ました。これが、この筋で・・。凄すぎる!「薄い」はずが、「ビア樽」になる。
「あれが筋トレするとこうなるのか」とムキムキしたビルダー達の厚みのある映像をマジ見つめる。立派すぎるその完成品は、自分ももっているはず・・・の腹直筋を想像させる。

・・・・腹筋企画、どうしようかな・・・。ハワイでこそこそしていた、寸胴ビキニからの解放か!

記事担当:講師 富士子

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(参考文献:人体の不思議 VOl.1)