「胸鎖乳突筋」・・・起始・胸骨柄の上、鎖骨内側3分の1
停止・乳様突起、後頭骨上項線外側部
副神経、頸神経叢(C(1)、2,3)
この筋肉の嫌いなところ。それは、単品で!サイコーにほぐす気持ち良さをなかなか出せない。「効いている」はあるのだが、「気持ちいい」が欲しい。アロマは4指でゆっくりスライドする、拳で転がす。これは、横と後ろメインだからね。あの胸鎖乳突筋に沿った斜めラインではない。
しか~し!停止部の側頭骨乳様突起、後頭骨上項線外側部、この部分は嫌い反面大大大好きで(言っている事がおかしい)、頭頚肩耳などの調整にとても出番の多い人気者「完骨」である。置き鍼(貼り方に注意点あり)をしても、効かないことがない素晴らしい箇所である。
そうね、この部分最高に気持ちいい施術にあったことがないからだな・・・。あのアゴのラインだって気持ちいいのにな。(はて、私の施術はどんなんだべ・・・)
ハイ、軽擦、つまみ・・・。うちにいるアロマ女王と検証してみます。
総頚動脈が下にひそんでいるこの筋。以前は背の小さ目な方が上を見あげるしぐさから、凝っているかたが多かった。最近はケイタイの浸透で下も向く、だからとんとんになっている。ただ、髪型の片寄りで、お顔が斜めになっているかたは張りが強い。同じ方向で寝る、テレビの置いてある方向の関係などでも同じですね。
他には、・・・胸鎖乳突筋と僧帽筋は、お腹にいる「胎生期」に1つの筋肉だったから、両方とも「副神経支配」。(以前書いたが、)鎖骨は胎児の骨化の最初の骨なのに 20年位かけて形成されるなど発生部分に面白さがある。
「前斜角筋」・・・起始・第3~6頸椎横突起(前結節)
停止・第1肋骨
頸神経前枝(C(3),4~8)
「中斜角筋」・・・起始・第2~7頸椎横突起(後結節)
停止・第1肋骨
頸神経前枝(C(3),4~8)
「後斜角筋」・・・起始・第6,7頸椎横突起
停止・第2肋骨
頸神経前枝(C(3),4~8)
斜角筋の好きな部分は上からみる角度。見た目が、頚にテントというか、スカートをはかせたような斜め加減。息を吸う(吸気)時に肋骨を上げる呼吸筋であり、頭を安定させたり、頸の側屈に作用もする。息を吸うとき、胸鎖乳突筋を手でよけて下に手をいれる。そこで、息を大きくゆっくり吸うと硬い部分に気付く。それが、前斜角筋。もしかしたら、大きく吸気しない現代は頚の安定の方がメインかもしれない。調子の悪い部分をこの細かさとデリケート部分で見つけるのはゆっくりやって欲しいかな。(やってみて)
頸椎の屈曲・伸展の約50%は後頭骨とC1の間で行われ、回旋はC1とC2間。
斜角筋たちのこり具合をみると前斜角筋が一番硬くなりやすいかな。座り仕事はしょうがないとして、「首を動かす」基本が改善に大事だろうし、歌うことや運動もいいのである。
また、有名なところでは、前と中の間から「腕神経叢」が顔を出し、しばしば限度を超す挟み撃ちを受けで調子の悪さをだしてしまう。
解剖実習では、顔を出すこの部分から鎖骨の下をくぐる部分までも指を通したが、指1本ギリギリでスペースがないべ。でも、構造的に守られたかたちで先に先にと誘導された道筋は、興味深く見入ってしまうのだ。
アプローチは、鎖骨まわりも同様だが、四指がメインの出番である前面部分。密着させてオイルでスライドするか、皮膚を緩める感じで四指でゆっくり大きく動かすか。平たく圧をかけていくか。それとも、この出番を待っていたかのごとく、太い前腕でグイグイッといきましょうか!!
次は、肋骨にしようかな。肋骨の疲労骨折とか肋間神経痛は興味ありあり。
記事担当:講師 富士子