うちのスタッフに「侍」がいる。
もちろん、侍だから男性。20代前半。なぜ侍かというと、肩こりも身をもって知らないのにこの仕事に正面から取り組んでいるからだ。「ちゃらいぞ」なんて年上からのつっこみにも負けずに頑張っている(笑) そんな侍は髪を伸ばし始めたが肩まで長い。規定により、ポニーテールかお相撲さんのように束ねている。その侍がある時、「やばいやばい」言い始めた。「首が動かない!痛い!」
みなさんは、これだけで何が起こったか推測してください。
侍はその日の混雑を一生懸命こなし、仕事終了とともに限界がきていたための「やばいやばい」だ。私は本人の姿勢の変化は気づいていたものの「ぎっくり腰」か「背中がつっている」のかと思っていた。野球にゴルフにスポーツで鍛えた体だったので、かばうことなく、「大丈夫か」くらいだった。しかし、おかしい位にロボットのように動いていた。
そのまま、痛みが出ている方を上側に横向きにさせる。
本来、急性の場合、私は短時間の施術しかしない。
このあとの治療方法は私自身の考えのもとであって、正解とは考えないでいただきたい。その場所が医療できる場所なら「鍼」をするなどの処置や冷却もする。しかし、共通しているのは、完璧に「その部分のその日に充分だと判断した量の刺激量と負担を図った分しかしない」。この職業を周りが知っているため、小道具もないときに持ち込まれるケースも少なくない。だから、「鍼」がなくても手当できる方法をよく考える。
さて、問題の侍。
あまりの痛みなので10分以内で終了したい。その姿勢での限界もある。続きは次回に持ち越すつもり。
なぜかというと、転倒したなどがない場合、積み重なったものの原因であることが多い。尚且つ、急激な痛みの出た初日の身体の変化自体は、その人にとって意識のショックも大なり小なりある。何が起こったのか、もとに戻りたい、どこが痛いかよくわからないなどが重なり、本来「おおもと」以外の部分にも影響を及ぼす。積み重なったものは、その「おおもと」以外にも疲労や負担もあるということだ。
主訴は首。放散痛は背部片側肩甲骨のほうにもある。手にしびれはない。
まず、手で探る。以外と容赦しないで深いところにも手をいれるのが私だ。(痛いのにすみません)
C2、3,4、5の腫脹、圧痛。首から肩背中までカチカチ。首から肩甲骨下角までの脊柱部分から、指先でひとつひとつ調整していく。で、また、落ち着いてきたところを戻り、また微調整していく。なにも特別なことはしない。調整といっても「緊張を解く」。それだけ。誰でもできる。でも、私の指は痛いはず。
反対側、今はいじらない。もともといい筋肉なので症状感快は早い。おもしろい。さっきまで泣きがはいっていたのに。だから、素直な身体はやりやすい。
「これで、ごはんが食べられる」・・・さすが侍、コメントが違う。
ここで、解説。
世の中で「寝違え」と云われているものだ。
基本筋肉は硬くすぎない。後頸部の深層筋に手が入る。頭部の頭痛も起こしている。棘突起サイドの痛みが大きい。頭痛の原因は、痛みがでてからの時間が長く、それでも重いものを持ち上げたなどの頑張り分も加算する。腫脹のあった、C2,3,4,5中心。起立筋も肩甲挙筋も、板状筋。それぞれ大なり小なり硬さを持つ。肩甲背神経の支配部分はすべて赤信号の放散痛。
それより、この原因。
どうしてかわかったかな。・・・・髪型なのだ。ここ最近1~2か月を追って二人で考えてみた。仕事の負担は、まぁあれど、髪型のショートから短ううちから束ねる。
髪を切ると軽くなるとはいいますが、本来、重量はない。
頭皮をひっぱり、頭部の動きを変えるほどの威力は大有り。
追加するならば、侍は柔道整復師の学校に毎日通っている。勉強しているわけだ。
さあ、仕事がはいった!
中途半端だが、ここで終了。
「女性の悩みの肩こりが理解できた」という侍の貴重な経験は、彼を大きく成長させたのは言うまでもない。
それだけで、充分だ。
・・・・施術料金は、「コーヒーでいいさっ」
記事担当: 富士子講師