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2016年7月4日更新

腰痛対談 第2回目「一般の方の腰痛」(全5回)


対談シリーズ第一弾「腰痛」(全4回)

◆対談講師
総合司会: 青山 朋樹 先生(整形外科医)
柔道整復師:志知 成治 先生
理学療法士:長谷川 聡 先生

第二回目「一般の方の腰痛」

青山先生:前回の話ですと競輪選手や競馬選手のようなアスリートの腰痛には膝窩筋、広背筋、大円筋、肩甲下筋などのキーマッスルが関係しているとの事でした。これらは一般の方の腰痛との類似性はありますでしょうか?

長谷川先生:一般の方の腰痛は姿勢からくるということが多いと思います。いわゆる猫背上肢が内旋位に入っていて広背筋が短縮する方向に入っているケースなどが挙げられます。こういった場合には、上半身、体幹が前傾位になって胸郭が広がらなくなってしまいます。広背筋が内旋に入って短縮することで、結局は腰部の方も過緊張し、腰痛がひきおこされる。フレクサ―ポジションを取ることから胸椎の伸展可動域も減って、胸椎の動きが悪くなることで、他に頸部、腰部の付近の過剰な動きを求められた結果から、腰痛が引きおこされるという患者さんもおられます。

志知先生:そうですね、とても多い症状ですね。近年はパソコン業務とかスマホを触る機会が多いので。どうしても顔が前に突き出て顎も出る(前突の肢位)。この事から、後頭下筋群の過緊張が起こる。

青山先生:あ?こんな姿勢ですか?(笑)
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志知先生:頭の重さが、だいたい5kg位ですので、そういった姿勢を取ることによって5kgの重心が前に移動します。重心位置が前に移動するってことは重力によって頭が下がる。ではそれを防ぐためにどこが頑張るかというと、後頭下筋群から僧帽筋にかけての頭頸部伸筋群が頑張るということです。これらの筋肉が収縮し、それによって肩甲骨も引き上げられる。肩甲骨が引き上げられることによって、腰部の筋群がどんどん巻き込まれていく。
肩甲骨が動かない状態では腰部の筋群がより引っ張られる。こういった姿勢を続けることで慢性の腰痛になってしまいます。
慢性の腰痛だけでなくて、急性腰痛(ギックリ腰)にもそういった姿勢は関係してくる。先ほど解説した姿勢で何か物を持ったり、拾ったりした時に腰部の伸筋群はピンと張ったような状態になる。だいたいそういった時にギックリ腰になる。特に軽い物を拾おうとした際に、ギックリ腰になることの方が多い。
逆に重い物を持つ時ってかまえるじゃないですか。だから意外にギックリ腰にならない。

青山先生:車の運転をしていてシートベルトをする時、後ろを見ようとした時などに、グキっとギックリ腰を起こすことがあります。つまり、そういう姿勢が関係しているということですね。

志知先生:そうですね!座位姿勢ですね。パソコンやる人って立ってやる人ってそう多くないじゃないですか。最近では病院で看護師さんが立ってパソコンをやったりとかしておりますけど、多くの場合座ってやります。座ってする方が多いので基本的に膝をつねに曲げてる状態、肩も緊張しています。これはトイレにも当てはめることができます。朝のトイレって寒くないですか?トイレって暖房つけないですよね?

青山先生:なかなかそんな贅沢はできませんね。ですがトイレがどのように関係してくるのですか?

志知先生:朝トイレ入りました。ここでも座る姿勢に注目して下さい。座るときの姿勢は猫背で顎も、もちろん前に出ていますよね。しかも夜寝ている間に身体は固まっていてトイレの中は寒い。この状態でトイレットペーパーを使うときを想像して下さい。正面にトイレットペーパーがある所ってなかなかないと思うんですよ、横ですよね。ってことは朝寒いトイレでお尻を出して、トイレットペーパーを使う。この姿勢では腰部の片側の筋が短縮し、逆の筋が伸びますよね。そして立ち上がったりした瞬間に筋肉の収縮が入れ替わった瞬間に「グキっ」となったりします。こういった形で腰痛にならなくてもそこからどんどん悪くなって慢性化する。先程、青山先生がおっしゃられた車の運転の事と一緒なんです、ひねる動作が。

青山先生:なるほど、トイレの中でのギックリ腰が多いのはそういった原因もあるのですね。今のお話の中には拮抗筋や止めの筋肉の原因もありそうです。つまり止めの筋肉だとか、インナーマッスルを使えていない、固くなってしまって起きることがある。また拮抗筋同士がバランス良く使えていなくて腰痛を生じてしまうということですね。競輪選手の場合、膝周りの筋肉が腰痛発症に関係するという話でしたが、一般の方でもそれはいえそうですか?

志知先生:そうですね!膝を曲げると骨盤は後傾します。膝が固くなるってことはハムストリグスが縮みます。ハムストリングが縮むと骨盤が引っ張られて後傾する。この状態の人ってけっこう多いです。特におじいちゃん、おばあちゃんといったお年寄りはその姿勢の状態で頑張っている事が多いです。ですので、まずは真っ直ぐにしてあげないといけない。膝だけではなく下肢全体、均等にバランスを整えないと腰痛だけでなく、転倒などの予防は出来ないだろうと思う。

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長谷川先生:まったく同じ意見です。理学療法においても高齢者の腰痛でよく認める猫背タイプっていうのはまさにそういうものです。骨盤が後傾して膝が曲がり、ハムストリングスが引っ張られています。そこで重心を戻すためにハムストリングスは過緊張になっている。まずは膝からのアプローチに加えて、胸椎を伸展していくようなアプローチですね。

青山先生:なるほど、お二方とも同じ視点で診ておられますね。お年寄りの腰部の筋肉、とくに脊柱起立筋は伸びたゴムみたいになってしまっています。その状態で単に腰部の筋力を強化するのは難しいです。筋力強化も重要ですが、胸郭や膝などの下肢などの全体にアプローチを行い、整えたうえで少しずつ腰の方にもアプローチしていければ上手くいきそうですね。

志知先生:はい、お年寄りの腰部の筋は伸びていますね。

青山先生:本日の話では一般の方の腰痛には姿勢が大きく関係してくる。そこで腰痛治療の際にまずは腰部だけでなく、周囲からしっかり、緩めるところは緩める。固める所は固める。そして腰の方にアプローチしていくということです。治療の現場ではこれらのことを行うのに、物理療法を併用すると思いますが、次回は両先生にどのような物理療法を行っているかお聞きします。

 

以後は第三回に続く

 

第一回目「競馬、競輪選手の腰痛」は、こちらから↓↓↓
http://kaiboac.com/undou/2189/

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対談講師紹介

写真左から

整形外科医:青山 朋樹 先生
理学療法士:長谷川 聡 先生
柔道整復師:志知 成治 先生

◆講師紹介(アイウエオ順)

青山 朋樹 先生
京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻
リハビリテーション科学コース 理学療法学講座 運動機能開発学分野 准教授
解剖実習アカデミー 解剖実習シラバス、ブログシリーズ監修
他、多数のセルフケア機器、再生医療製品の開発を行っている

◆主な研究テーマ
幹細胞生物学、再生医学、運動器医学、リハビリテーション医学
◆専門分野
リハビリテーション医学、整形外科学、再生医学

京都大学 青山研究室↓↓↓
http://humanalysis-square.com/member/

志知 成治 先生
柔道整復師
元競輪選手
自己開発技術セミナーを全国に発信中
岐阜県で接骨院を経営しながら、スポーツ選手などのパーソナルケアを行う
プロのスポーツ選手だったからこそ分かる、身体の不調と改善方法
田舎町の田んぼの中にある接骨院が口コミだけで繁盛院に
数多くの雑誌に取り上げられて取材を受けています

志知接骨院↓↓↓
http://shichi-sekkotsuin.jp/

長谷川 聡 先生
人間・環境学博士
理学療法士
㈱テイクフィジカルコンディショニング CEO
京都大学医学研究科プロジェクト研究員
武 豊 騎手 専属トレーナー
JARTAメディカルアドバイザー
現在、スポーツ選手、一般の方に向けたフィジカルコンディショニング施設を運営

テイクフィジカルコンディショニングジム↓↓↓
http://www.take-pc.com/