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2014年11月3日更新

解剖実習を終えて【脂肪の正しい情報】

ハワイ解剖実習一日目に書いた《脂肪》について更に掘り下げていこうと思います。脂肪については色々な見解がありますが、解剖学的な視点からお伝えすると、脂肪は運動無しでは「動かない」「柔らかくならない」「消えない」というところでしょうか。ガッカリさせて申し訳ないが、これから脂肪の現実をお伝えしちゃいます。結論から云うと、オールハンドで脂肪を除去するのは無理なのです。機械(超音波などの)を使えば多少は効果が期待されるのかもしれないが、食事療法や運動療法を併用しなければ出来ない。なぜなら、それだけ人間の体の中の脂肪は強敵だからです。
この辺りをシェアしましょう。

◆解剖実習をした中で実際に見た揺るぎない事実の脂肪のイメージはこれです。
・まるでスクランブルエッグに似た脂肪。
・カプセル状、またはトウモロコシのように1センチ弱の粒々の脂肪の集合がひしめき合っている。中硬。
・平たくパイ生地のように折り重なっている脂肪。
・黄色い液体状の油

ただ、脂肪があること自体は悪くない。人間の弱いところを守る為に脂肪は存在する。だからリンパ節や心臓、内臓周囲にも多く見られる。解剖学的には、これらの脂肪を手技で
潰す(除去する、無くす、消える)事は不可能であることが一目瞭然。それほど強敵。

エステティックサロンや痩身に対し、物言いたい訳ではないので勘違いしないで頂きたい。
正しい情報を得る事で、よりクライアントと向き合える施術者になろうという事が云いたいのである。
そして、正しいかどうかは別として、効果的にダイエットとして結び付けたいのであれば、上記に記したように、食事療法、運動療法は必須。機械は個人差があるだろうが、無いよりはましだろう。
とにかくハンドの技術で脂肪が無くなるのではない、水分が移動しているだけである。
何故なら脂肪はほとんど筋膜や組織膜に張り付いていて、メスで削がないと取れないのだ。実際に私たちは張り付いた脂肪を、刃が鋭いメスやハサミなどで体から剥がす作業を各所で時間をかけて相当行ったのだ。これが解剖の現実。
逆に脂肪が動くという説があれば聞いてみたい。アレをどうやって動かすのであろうか。
組織液だけの移動ではないか。
しかし手技は使いようによって最高の技術なのだ。脂肪を消せなくても、リンパを優しく流すために使えれば良い。そして代謝を促す。これが正しい情報なのである。
解剖実習で学ぶ第一歩はここからだ。

 

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