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2015年7月20日更新

解剖「脳血管」


解剖実習中!

まず献体を上向きの状態にします。うつ伏せから上向きにする作業は慣れましたが、最初は「どこを持てばいいのか」「台から転がらないのか」「男性がやるんでしょ(笑)」的でしたが、今ではきちんと手伝えます(少しですけど)。Y.O先生以外の全員が緊張する瞬間です。
胸郭内をみる前に、一大作業があります。

肋骨があるのでその切断が必要。特殊な工具で肋骨をフックして周囲の組織を傷付けないように2番から7番までの肋骨の切断を開始。半円状の先端を切断したい部分に差し込んで、1本ずつの作業です。中央の胸骨も胸骨柄で切断します。切断した肋骨の切断面で手を切らないようにしながら、左右両方を開胸します。

チェックポイントの血管を見ていきましょう。
少しだけ左寄りの心臓の「左心室」部分から上の方向に血管は向かう。それが「大動脈」。「大動脈」はすぐに左の後方へカーブを描いて下へ向かう。それが弓になっている「大動脈弓(だいどうみゃくきゅう)」。その「弓」の上方向部分を「上行大動脈」という。カーブの部分が「大動脈弓」。下に向かっている部分が「下行大動脈」という。脊柱の前面でやや左寄りの位置である。
「弓」の部分は、上向きに3つの動脈を覚える。まず、「腕頭動脈(わんとう)」、「左総頚動脈(ひだりそうけい)」、「左鎖骨下動脈(ひだりさこつか)」。
「腕頭動脈」は「右総頚動脈(みぎそうけい)」、「右鎖骨下動脈(みぎさこつか)」に分岐します。もちろん、「右」と名称につけば右側に向かっています。
そして、左右の「総頚動脈」は、それぞれが「のど仏」の位置で「内頚動脈」と「外頚動脈」に分岐します。鎖骨下動脈が胸腔内から上方の前斜角筋の後方に方向をとっている。
「内頚動脈」は「胸鎖乳突筋」の内側に沿った道を上昇しながら脳に「酸素と栄養」を運びます。頚の前面部分で強い拍動を感じる血管がこれです。
上行しながら斜めに頭蓋骨に入りました「内頚動脈」。脳の底の部分で「眼動脈(がんどうみゃく)」として眼に向かいます。その後「前大脳動脈」と「中大脳動脈」に分岐します。脳底では「脳神経」の周囲を囲むようにそれぞれの持ち場へ小枝を伸ばしています。
もう1本をみてみよう。
二手に分かれた「総頚動脈」の顔側の枝の「外頚動脈」は「甲状腺動脈」「舌動脈」の枝をだします。エラの下辺りから上方向へどんどん進みます。
エラの部分では、有名な「顔面動脈(がんめん)」として「上下の唇」「口角横」「鼻の横」「眼の内側」へ枝を出しながらまだまだ上行します。
エラの少し上では「後頭動脈(こうとう)」として後頭部へ。またその上からは下顎骨の内側から「顎動脈(がく)」として「あご」「眼下」に枝をはわせます。
そして、耳の前辺りで「浅側頭動脈(せんそくとう)」となり、耳の上側部分の側頭に小枝を広げます。
今回、大注目を浴びたのは、脳へ向かうもう一つの血管「椎骨動脈(ついこつ)」である。
ルートをY.O先生とたどります。
左右の「鎖骨下動脈」から分岐した「椎骨動脈」は斜角筋の内面部分で「第6頸椎横突孔」の穴に入りこみます。
ほぼ垂直に上昇した後、頭蓋骨に入るために「第2頸椎横突孔」の急角度で耳方向へ曲がります。この角度が驚く。
その後すぐに「第1頸椎横突孔」をくぐり抜け、後頭部真後ろ方向へ進みます。ここで後頭部に入りこんで「硬膜」と「後環椎後頭膜」内を通り頭内腔に入りこむ。そこでまた、左右の「椎骨動脈」は合流する。
「脳底動脈」や「上小脳動脈」の枝をだした後、脳の底にどんどん向かいまたそこで左右に分かれて「後大脳動脈」となります。
この「椎骨動脈」のクネクネカーブの全部が、そのカーブ位置をたどって考えても「なんで?」と思うくらい予想以上の急角度である。
大事な脳への血管ではありますが、後頭部の筋に囲まれて、守られてもいるし、被害を被っているのかと思うし、急カーブがすごいんだよとも思う。
と考えると、もっともっときちんとこの部分をほぐしてあげたいとも強く思うのである。(あたし、今日、やさしい♡)
全身の血液が一周するのに、約20秒。これを、速いとみるか、ゆっくりとみるか?!わからない。
記事担当:講師 富士子
(参考写真 ウィキペディア)

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