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2015年1月16日更新

解剖実習 ~ 腸


【 腸 】 解剖していきましょう。

*¹横隔膜を視て、腹部を開腹。
脂肪を取り除き、腹直筋などを取り除くと、腸に辿り着く。このとき「腸」は「楳図かずお先生」の恐怖漫画のように「ビローン」と長くは出てきたりしない。(あれはあれで恐怖漫画のイメージとしては良い。)
特に大腸に関しては「大網」という薄い組織膜と脂肪の混合されたものに癒着して覆われている。小腸に関しては、「腸管膜根」という組織膜にぶら下がっているようなイメージ。ホタテのヒモみたいに本体にビロロンとくっついている。(よく富士子講師に食べ物に例えるのはやめろと云われる(笑))

腸の手術は「癒着をおこす」から極力しない方いいと聞く。分かるような気がする。「大腸内視鏡」で小さな腫瘍を取ったり出来る時代なのだから。
腸が癒着するというのは、実際にどのようになっているのかというと、2012年に献体して下さった、ポリスマンのボブソンさん(仮名)右腹部に大きな手術痕があり他の献体の方々とは明らかに違う腸の位置だった。あまりにも複雑な位置に腸が移動。脱腸も確認。(中心側に寄せられてしまった)癒着して、中央に引っ張られた腸があり、左腹部は脂肪で埋め尽くされていた感じ。

◆ボブソンさんの「腸の症状」に対して仮説を立ててみた。
【例えば盲腸が原因】しかし、あまりの脂肪の厚みに開腹手術が難しく、結構な幅を開腹したために縫合も大変であった。その後、癒着しないように体を動かすも巨体が思うようには動いてくれず、そこから癒着が進んだ。
【例えば脱腸が原因】
右腹部にかなりの範囲で脱腸が視られた。この状態でよく「ぜん動運できるな。」と思うし、消化されたものが大腸をスムーズに通る気がしなかった。腸に食べ物が残っていれば、腐敗もするし、ガスも出る。この腸の形で健康だったかどうかは分からない。
ただ、年齢的に60代は若い方だと思う。

解剖の先生に「なぜこのような体型になるのか?」と聞いてみたところ、「アメリカのポリスマンは、ドーナツにコーラは毎日だからね~」とバッサリ。。。。。 
あぁ。。。  (大きい声じゃ言えないが日本人で良かった。。。) しかもボブソンさん、あの体では、そうとう腰痛もあったろうと思う。。。

腸について書くと多分止まらない(笑)
やっぱり私は持病があるからなのだが。。。
「どんだけ不健康なんだ?」と思われますが、至って健康そのもの問題なし。「上手く付き合えばいいのです。」
私がはじめて腸が腫れたのは31歳の時。その時の病名は「虚血性大腸炎」というものだった。
突如、腹痛に襲われ貧血を起こすほどの激痛。6時間後には下血が止まらず入院。
2週間「禁食」です(笑) 3週間入院。

その1年後の32歳の時、また激痛と共に入院。今度は「大腸憩室炎」 ←これが、多分一生上手く付き合うしかないのだが、病気ではない。
左のイラストが健康な腸だとすると、私の腸は右のイラストのように腸の内側から外に向けて「ポケット」が出来る。 このポケットは誰でも持っていて、そこに消化されてないモノが入り込んで腐敗したりして腫れる。
(腸の中が腐敗って嫌よね。。。臭そう(笑)) 腸が腫れるかどうかは個人差があるという。一般に「お年寄り」に多い症状だそう。ただ腫れるだけ。。。
でも腫れると厄介なので「上手く付き合うのだ!」

最近は「腸のバリウム」ってやらないけど、最後にやったバリウムの時に、そのポケットが20個以上あると云われた。特に、上行結腸から横行結腸に曲がる角々や、「S状結腸」
イラストのように平面にはなっていない「大腸」。特に「S状結腸」はくねっているから。(ネッターのイラストを添付します。かなり3Dで見た方が見やすいはず。)chou

chou_netter
(参考文献:ネッター)

さて、ヒトはお母さんのお腹にいる時に腸から作られると云います。そして「腸」とは凄い臓器なのです。
随分前に発見された脊椎動物の「ナメクジウオ」が人間の祖先と云われていますね。
ナメクジウオ。。。一瞬ナメクジを想像するがナメクジではない。白魚のような?細い白い魚。
いろいろ云われはありましたが、最近はこの「ナメクジウオ」がヒトの遺伝子と6割似ているという研究結果のようです。

さて「腸」から作られるヒトの身体。「第二の脳」とも云われる。
脳の次に多い、腸の神経は1億個くらいだそう(因みに脳は150億個とか)
例えば、脳の指令で腸は動かないから便秘にもなるとか。なのに、脳から得るストレスは腸に連動するらしい。
腸って敏感なのね。そして腸は他の内臓に指令をだして消化や吸収を行ってもらう。
たまに体が疲れている時に「腸を休めなさい」という事を医師に云われたりするが、24時間働かせないで「腸にも休眠を!」という事だろうか。
寝る前に食べない方がいい事を分かっていて食べると、翌朝の顔の浮腫みっぷりは凄い事になるのだが、それはきっと「腸が起き続けていて、腸が寝不足になっているから。」そう思えば、自分の身体を思いやろう。という気持ちになってくる。。。飲み過ぎ食べ過ぎはダメね。。。分かってる。。。

さて皆さんもご存じの通り「セロトニン」という物質があるが、人間の体内には10mg程度のセロトニンが存在しているのだとか。このセロトニンは90%腸で活躍している(主に小腸)残りの8%が血液中で、2%が脳内。(脳内のセロトニンの量が不足すると「うつ病」になり易いと云われているが、あえてここでは触れないでおく。)
このセロトニンとメラトニンはとても関係がある。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも云われている。
昼間の自律神経が働いているうちはセロトニンが優位に立つ。(起きている時に分泌する。)
そして夜間に副交感神経が優位になってくると、メラトニンが活躍してくるのだとか。起きてから15時間~16時間後に活性化されるらしい。この活性化が睡眠へといざなうわけですね!  おぉ
だから夜寝る時は室内を暗くし、朝起きるともにカーテンを開け目覚めると、自然と体内時計が動き、適量のセロトニンと、メラトニンを時間によって分泌してくれるのだ! 有り難い!

ただし腸内は、とても敏感らしく脳で感じるストレスが直撃するらしいから、自らの身体との対話は常に必要だと思う。
これ以上、書くと終わらないので、やめておくが、腸には原因不明の疾患がたくさんある。
食いしん坊の私としては、仲良くしたくない疾患であるのは確かだから、夕食の時間帯を気を付けようと思う。
食べるものにもよるけど、寝る前3時間より、「寝る前4時間~5時間」は空けてもいいと思う。

*1横隔膜の記事は→http://kaiboac.com/anatomy-report/1244/

色々な文献がありますが下記に少し紹介します。
・上野川修一氏著書 「からだの中の下界 腸の不思議」
・藤田絋一郎氏著書で 「脳はバカ、腸はかしこい」

サイト
・腸の不思議な話
http://www.nyu-sankin.net/intestinal/index.html

記事担当:小池