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2015年1月6日更新

解剖実習~肺

解剖実習2日目で脂肪除去をし、乳房を切除し、大胸筋、小胸筋をはがし、肋骨に辿り着きます。
これからいよいよ「内臓」です。

まずは肋骨の中に解剖の先生の手が入る。ここは大切な臓器たちが収まっている場所なので、傷つけないように先生が外していく、私たちは敢えて、でしゃばらずに見ていた。(普通は自分たちで行うのだけど、結構時間が押してたのね。。。)

2つの肺が見えてくる。カレンさん(仮名)は煙草を吸っていなかったと思われる。その位「肺がキレイ」だった。肺は、ホルマリンの液を吸っていて水分が含まれて重たい。
前回もその前の献体の方もタバコを吸っていたのか、「肺が濃いグレーだった」そしてところどころに、「正月の黒豆」のような黒い何かがあるのです。。。(ホントに。。。) 私は10年前まで「喫煙者」だった。しかもかなりのチェーンスモーカー。。。あぁ。。。一日3箱…(一応女性なのにチェーンスモーカーは恥ずかしい)
だからとても気になる「肺」のこと。 解剖の先生に聞いてみた。「タバコ止めたら、肺はキレイになるんですか?」
「おそらくならないね!」と、元気よく返されて凹む私…(笑)  ま、しょうがないわな。 でも吸い続けるよりも止めた方が体に良いのは分かっている。
  
で、タバコ吸っている方の肺の状態を調べてみましたが、吸っている人の肺は相当「硬化」するらしいです。どうやら吸い込んだ時の肺の膨らみ方が小さいらしい。
でも、これも献体して下さった方の年齢や体つき、何のスポーツをしていたかで大分違ってくると思う。
以前、富士子講師も記事に書いてましたが、子供時代にどんなスポーツをどのようなペースとやり方をしているかどうかで身体の作り、骨の作られ方が違ってくると云っていた。 先日書いた「貴乃花親方」が成功したダイエットの時の写真でもそうだけど、貴乃花親方は物心ついた時から「力士になろう」と思っていたから、そのように育ってきたし、トレーニングもしてきた。だからとても大きな胸郭をしている。 「これが鍛錬された身体の内臓を守るための胸郭なのだろう。」と、感動した。
水泳選手の肩幅もそうですよね。習い事の一環でやる水泳教室とかではなくて、競技として真剣にやっている人の肩幅は広くて格好いい。あれは遺伝じゃなくて鍛錬の結果だよね。 わたしとしては、肩幅が狭すぎるので広いのに憧れる。 若いころに本気で肩部の整形を考えたものだ(笑)

あ、いかん富士子講師なみに話が飛んだ(笑)

さて、話を戻しますが、カレンさんの肺です。取り出した肺は「気管」から二つの気管支に分岐し二つの肺に分かれる。 二手に分かれたところで「肺門部」視て、二つに切りました。。分離した時に視た「肺尖」という肺の上方で尖った部分。胸郭上口からはみ出して頚部にまで達しているらしい。 これは実は実際に視るのを忘れた。(次回は絶対に視よう)
参加した「鍼の先生方」は、この「肺尖」辺りを気にしていたという事だろうか。きっとそうだ。肩部、頚部に刺す鍼がどこまでいけるのか気になると言っていた。 実際には一番長い鍼でも届かないのだが。
これは富士子先生も記事にしていたと思う。

つづき。。。
肺の中にどのように空気が送られて行くのかを実際に見てみたいと思い、肺の表面側からメスで肺を削いでみた。
そうすると、気管支が分岐し枝になった細い繊維状のものがたくさん視えた。この細い繊維状になったものが肺胞に空気を送り、肺全体も膨らむ。

最近「肺炎」って怖いんだなぁと思った。 若いころは、「何で、お年寄りは肺炎でなくなるのだろうか?」とか、風邪が長引いて…」とか思っていましたが、結構多いのが、食道に通るはずの食物が気管に入り、健康であればむせ返して吐き出す事ができるが、お年寄りや病中病後の方々はこの異物を吐き出す力が残っていない時があると聞く。 そしてその異物がやがて炎症を起こす元になるという。 炎症を起こしてしまった肺は大変だろう。
肺を視る限り、こんなに細い気管にモノが入ったらそりゃひとたまりもないと思う。このイメージも大事だな。 うちにも年寄りがいるからちょっとしたことを、気を付けたいと思う。

記事担当:小池

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(参考文献:全部わかる人体解剖図)