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2016年8月4日更新

腰痛対談 第3回目「物理療法を用いた腰痛治療」(全5回)


対談シリーズ第一弾「腰痛」(全4回)

◆対談講師
総合司会: 青山 朋樹 先生(整形外科医)
柔道整復師:志知 成治 先生
理学療法士:長谷川 聡 先生

第三回目「物理療法を用いた腰痛治療」

青山先生:前回、前々回のお話では腰痛の発症にはアスリートは過負荷により、一般の方は姿勢が大きく関係してくる。そこで腰痛治療の際にまずは腰部だけでなく、周囲からしっかり、緩めるところは緩める。固める所は固める。そして腰の方にアプローチしていくというお話でした。
では実際に治療の現場ではこれらのことを行うのに、物理療法を併用されていると思います。両先生はそれぞれどんな物理療法機器を使っていますか?

長谷川先生:治療をする時には、まず痛みを取ることを最優先に考えております。次に原因となっている姿勢などの周囲の問題を除去します。基本的にはこの二段階でやるんですけど、その際に用いるのが「インディバ」高周波深部温熱機器です。高周波を加えて深部の組織の温熱効果をもたらす機器です。これを使って固くなった筋肉をほぐすという目的で使います。

機器の特徴として筋肉の細胞自体に電気を通して、そこに筋肉の細胞を振動させることによってジュール熱を発生させるというのが挙げられます。他のタイプの物理療法機器と違うのは、周囲から温めるのではなくて筋肉自体に熱を発生させることによって筋肉の血液の循環が良くなって血管が開き、疲労物質を流して筋肉が柔らかくなっていくという原理を使います。
まずは痛みと固さを取るということを治療としてやります。最後に姿勢が悪くなっている原因になる軟部組織の柔軟性を上げるために同じようにインディバをかけてやるんですが、その際に普通に電極を滑らして熱を発生させることに加えて、その機器の特徴として、自分の手に電極をあてて、そこから熱を伝わらせるというハンドレスという手技を用いています。患部を探しながら治療をしていくということが可能です。物理療法と徒手的なマッサージを混合させて行えるというのが特徴の医療機器です。

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青山先生:固いところを指で探しながら、そこに直接アプローチできる?

長谷川先生:そうです。筋硬結部位に集中的に熱を発生させることが可能ということです。

青山先生:その物理療法と徒手両方のハイブリッド療法は効果が期待できそうですね。先生は確か以前に研究で、インディバ施術によって血流が上がったり、ハムストリングスが伸びてくるというような結果も出していますね。

長谷川先生:はい。ハムストリングスに対してインディバを15分間かけた後に、皮膚表面から15cmと10cmの深部温度と表面温度を計ってそれがホットパックと、どのくらい違うかというところの評価しました。比較の結果、深部温度の上昇はホットパックより高くて約40度位まで上がりました。そしてハムストリングスの柔軟性もホットパックで筋温を上げるものよりも、明らかにインディバで温熱をかけた方が柔らかくなるという結果も出ました。更に、その効果の持続時間というところでもホットパックとの差が出ました。

青山先生:さきほどのハムストリングスの重要なキーマッスルに対して、選択的治療が出来るというのは非常に大きいメリットですよね。

長谷川先生:そうですね。

青山先生:長谷川先生の研究結果は今後、学会や論文発表もされるとのことですのでその結果も楽しみです。
次に、志知先生の治療院で取り入れている医療機器というのはどのようなものでしょうか?

志知先生:当院はハイボルテージという高電圧電気刺激療法や超音波を用いています。原理や効果はインディバと似たような感じで、高周波、高電圧、そして超音波もけっこう奥に入るので深部まで刺激が入ります。超音波は炎症も取るので深部の炎症をまず取りながら動かしていきます。固くなっている(硬結)部位のトリガーポイントを中心に、まず柔らかくして超音波で炎症を取って、そこからハイボルテージで動かしていきます。これを行うと腰方形筋や膝窩筋といった深部の筋肉も緩みやすいですね。そういった物理療法をやってから徒手療法を行います。

青山先生:お二人とも共通しているのは深部にアプローチするということですね。これまでの話題でもありましたインナーマッスルって結構深い所にありますから、そこにアプローチできるのはすごいですね。特に外旋六筋なんて深いところの筋肉に選択的にアプローチできるなんてことは今までの物理療法機器だと難しかったんじゃないかな。それがインディバであったりハイボルテージであったりすると深い所にアプローチ出来るというのはすごいですね。

志知先生:インディバは何センチ位深部に効果を期待できますか?

長谷川先生:インディバは対象部位を挟みこんで行います。レジスティブモードとキャパスティブモードというのがあり、キャパスティブモードが表面を温めます。これは時に美容で使われる物なんですけど、比較的表面の皮膚や脂肪、筋膜などにアプローチするのに有効です。レジスティブモードは筋肉。靭帯、骨などのように抵抗の高い組織に重点的に働きかけます。これらのことからモードを変えることで治療したい深さを調整できます。

青山先生:従来の物療では、広い範囲を対象にしておりました。腰が痛い人であれば取りあえず腰全体を温めておきましょうというような使い方をしていたと思いますけど、本日の話をお聞きしますと、選択的に対象筋を狙って、集中的にその痛みを取ったり、炎症を取ったり、固さを取ったりという事が出来るんですね。

志知先生:僕は接骨院なんですけど、接骨院っていうのは電療っていうのが保険適用で出来るんですよ。従来からある接骨院ではただ表面的な低周波とか(緩衝波)とか、そういうものが多かったです。気持ちいい電気ですから。ちょっと皮膚が動くみたいな、表面的にやってる感といいますか、そういった治療をしている施設が多いですね。
当院ではハイボルテージと超音波に関しては本当に治したい人に対して自費施術にしています。アスリートは本気で治したい方が多いから、やはり自費の施術を選択しますね。実際早く治るんですよ。早期改善する方法なので。

青山先生:ただ気持ちが良いからっていうのではなくて、きちんとした治療結果を出すということですね。

長谷川先生:実践的に使えるものという事で、加えるとすれば、例えば胸椎の動きを出してあげる時でも、周りの固さを取るということに使った後に、実際に胸椎の伸展運動をする時にもその再学習というのを身体にさせていきます。その時にはハンドレスという手技を使います。先ほどの電極を自分の手に当てて、指を介して局所的に電流を入れるという手法です。ここを動かせ動かせっていう事をするために、動かしたい部位に置いて、そこに局所的に熱を発生させながら胸椎の伸展運動させてあげたり、回旋運動をさせたり、運動療法の中にも物理療法を取り入れたりという事を実際にやります。

志知先生:脳に教え込むんですよね。

長谷川先生:そうです。筋肉が熱くなったり、収縮したり、収縮し易くなったり、収縮する事によって更に熱が発生し易くなので、そこを使うという意識づけが出来てくる。末梢の器官と中枢部の促通ですね。

志知先生:意識してもらうというのは大事だと思いますね。

青山先生:患者さんにも意識してもらうということでしょうか。

志知先生:意識は大事です。よく昔トレーニングでもあったじゃないですか。筋肉を意識しろよとか。意識をするとそこの効果が上がるということです。

青山先生:なるほど、本日の話では物理療法を行う際に、漫然と行うのではなく、標的になる筋に選択的にアプローチするということでした。そのためには施術者だけでなく患者さん自身にも筋肉の三次元的な位置や解剖などを理解して頂き、一緒に治療に加わると行ったことでした。では次回は実際の施術の方法について解説をして頂きます。

以後は第四回に続く


第一回目「競馬、競輪選手の腰痛」は、こちらから↓↓↓
http://kaiboac.com/undou/2189/

第二回目「一般の方の腰痛」は、こちらから↓↓↓
http://kaiboac.com/kenkou/2211/

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対談講師紹介

写真左から
柔道整復師:志知 成治 先生
整形外科医:青山 朋樹 先生
理学療法士:長谷川 聡 先生

◆講師紹介(アイウエオ順)

青山 朋樹 先生
京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻
リハビリテーション科学コース 理学療法学講座 運動機能開発学分野 准教授
解剖実習アカデミー 解剖実習シラバス、ブログシリーズ監修
他、多数のセルフケア機器、再生医療製品の開発を行っている

◆主な研究テーマ
幹細胞生物学、再生医学、運動器医学、リハビリテーション医学
◆専門分野
リハビリテーション医学、整形外科学、再生医学

京都大学 青山研究室↓↓↓
http://humanalysis-square.com/member/

志知 成治 先生
柔道整復師
元競輪選手
自己開発技術セミナーを全国に発信中
岐阜県で接骨院を経営しながら、スポーツ選手などのパーソナルケアを行う
プロのスポーツ選手だったからこそ分かる、身体の不調と改善方法
田舎町の田んぼの中にある接骨院が口コミだけで繁盛院に
数多くの雑誌に取り上げられて取材を受けています

志知接骨院↓↓↓
http://shichi-sekkotsuin.jp/

長谷川 聡 先生
人間・環境学博士
理学療法士
㈱テイクフィジカルコンディショニング CEO
京都大学医学研究科プロジェクト研究員
武 豊 騎手 専属トレーナー
JARTAメディカルアドバイザー
現在、スポーツ選手、一般の方に向けたフィジカルコンディショニング施設を運営

テイクフィジカルコンディショニングジム↓↓↓
http://www.take-pc.com/